2021 Fiscal Year Research-status Report
Non-destructive structural analysis of needle punching non-woven fabric by X-ray CT
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21K02089
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
金 慶孝 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (30504550)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 不織布 / XCT観察 / トレーサー繊維 / 不織布の変形 / 定量的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、AgIで染色したNylon/AgI繊維を作製し,X線CT装置で、普通のNylon繊維とはっきり区別出来るX線輝度値をもつNylon/AgIトレーサー繊維の作製に成功した.これによって、ニードルパンチ(NP)不織布中のトレーサー繊維のみの可視化にも成功した.また,同様の手法でパンチングによる繊維の移動について評価を試みた.3層のNylon繊維Webと1層のNylon/AgIトレーサー繊維Webから成る不織布を作製する.その時,トレーサー繊維Webの配置位置によって4種類のWebを準備し,パンチングを行って試料の不織布を得た.二次元断層画像から,厚み方向へのトレーサー繊維の体積分率を算出した.その結果、トレーサー繊維を1,2,3層に配置した不織布では体積分率2つの山をもったグラフが得られた.その中でもSample 1はSample 2,3と比べて上面側の山が小さく見える.三次元像より,上面側の山はパンチング後も元々の位置に留まった繊維層によるものと推測できるので,Sample 1はSample 2,3に比べ元々の位置に留まる繊維が少ない(=底面方向に移動する繊維が多い)ことが分かった.さらに、同条件で作られた不織布に、ひずみ0 %から80 %まで引張変形させた際のXCT像を得た。引張方向(MD)と厚さ方向(ND)面において,スティッチ構造が形成されている不織布を引っ張ると、スティッチ構造が保たれたまま、杭状繊維束が短縮しつつ傾くことが分かった.また,80%引張変形を加えた不織布の繊維体積分率の分布は、上記の2つピークが鋭くなり,その増加は引張変形に伴う不織布厚みの減少率30 %よりも明瞭に大きく、特に表層のBridge相の繊維に力が集中して配向するので,引張変形の際には、主にBridge相が力を支えていると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X線CT装置で、普通のNylon繊維とAgIで染色したNylon/AgI繊維を区別出来ることを利用して、NP条件に伴う繊維移動量の定量評価に成功した.また、Nylon/AgIトレーサー繊維層を持つ不織布の引張変形に伴う構造変化を可視化および定量評価を行った.この結果をまとめてR2年繊維学会秋季発表会およびR3年繊維学会年次大会での発表を行った。これをまとめてTextile Research Journalでの投稿報文を準備している。 また、Nylon/AgIトレーサー繊維と普通Nylon繊維の中間的なX線級数係数、HU値をもつNylon/CuIトレーサー繊維の準備を進めている.このように2つのトレーサー繊維の開発に成功すれは、同時に不織布の半分以上の構造形成の可視化が可能になり、よりおおくの情報を得ることができると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
Nylon/CuIトレーサー繊維の作製を試みている.Nylon/AgIトレーサー繊維と普通Nylon繊維の中間的なX線級数係数をもつトレーサー繊維があれば、4層構造の不織布の半分の構造を可視化および定量評価が可能になる.前年度までは4層の不織布構造を4分の1ずつ分けて観察したが、これに生じる問題として不織布構造の不均一性がある.一方,2つトレーサー繊維を用いた実験を行えば、不織布構造の半分を可視化することができ、さらに、同時に形成される2層の構造を可視化することができるので、不織布構造の不均一から生じる実験の誤差も減らすのが出来ると考えている.このように解析を進めれば、NP条件に伴う不織布構造の層構造をより正確にすることができる.そして前年度研究に比べてより正確な不織布の内部構造の可視化や定量評価が出来ると期待している.また、トレーサー繊維を持つ不織布の圧出変形後、不織布の変化を可視化と定量評価へ挑むつもりである。
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Causes of Carryover |
コロナ感染防止対策として実験室への立ち居入り人数制限やX線CT測定の時間が足りなくなり、費用の計上が多くなされていなかったので、未使用額が生じた。 今年度ではSPring-8での予備実験に伴う旅費の発生や2つトレーサー繊維の作製に伴い薬品など消耗品の使用が増えると見込んでいるので、R3年度の請求額と合わせて、消耗品購入に使用する。
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Research Products
(11 results)