2022 Fiscal Year Research-status Report
Adsorption and removal of O157 Shiga toxin by indigestible food ingredients
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21K02092
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金丸 芳 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (00243676)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 志賀毒素 / O157 / 難消化性成分 / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
O157志賀毒素(Stx)を吸着する食品やその成分を見出す目的で,様々な食品や多糖類について検索した。O157の志賀毒素(Stx)吸着能を有する食品を検索した。12種類の食品を凍結乾燥して粉砕したものについて,オートクレーブ(121℃,15分)処理した5%熱水抽出液を調整し,Stx吸着能を検討した。その中で,オクラ,長いも,レンコンは, Stx1, Stx2双方に対して,高い吸着能を示した。その効果は,生の状態より加熱処理(オートクレーブ)によって増大することを確認した。特に,オクラは顕著な吸着能を有し,オクラの5%抽出液(オートクレーブ処理)と1024 ng/mlのStxを同量混和した場合,Stx1を100%、Stx2を87.5%吸着した。O157の志賀毒素(Stx)吸着能の高い多糖類を検索した。13種の多糖類について,オートクレーブ処理した2.5 mg/mL水溶液を調整し,Stx吸着能を検討した。グアーガム,キトサンがStx1,Stx2双方に対して高い吸着能を示した。さらにグアーガムは0.1 mg/mL,キトサンは0.03 mg/mLとStxの低濃度でも強い吸着を示した。最も高いStx吸着能を示したキトサン(0.1 mg/mL)は,Stx1 512 ng/mL,あるいはStx2 1024 ng/mLと同量混和した場合,Stxを100%吸着し,顕著な吸着能を有していた。また,キトサンによるStx1の吸着には高分子度の違いによって吸着能に差異があったが,Stx2の吸着には違いがみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海藻類については吸着能を見出していたが,その他の各種の食品成分にもStx吸着能を見出すことが目的の一つであり,令和4年度はそれを達成することが出来た。また,海藻から見出した有効成分についても,吸着能に係る因子をさらに検討中であり,その成果も出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
海藻のラムナン硫酸とフコイダン,さらに令和4年度に吸着能を見出したキトサンについて,GPCによる分子量測定を行い,分子量の違いによる吸着能,Stxとの結合に関与する因子の検討を行う。さらに吸着能を高める他の要因等を見出すことを検討する。
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Causes of Carryover |
購入しようとした物品が年度内に納入できない事態となったことが第一の理由であり,当該物品については,令和5年度で購入する。さらに,購入した物品においても,購入する際の金額が予定金額より安価で購入できたことにより,使用額が減少したことが第二の理由である。これについては,当初購入を諦めていた物品を令和5年度に購入する。
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