2023 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of function in housing management and of housing management model
Project/Area Number |
21K02098
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
浅見 美穂 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30581615)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 住居管理 / リフォーム / 戸建て住宅 / 住宅性能 / 修繕 / リフォーム業者 / ライフステージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はこれまでに明らかになった居住者の課題とリフォーム業者側の課題を突き合わせ、住居管理循環システム構築に向けた住宅政策の検討を進め、以下の3点の政策提案をまとめた。 1.30年目の法令点検 築30年超の住宅の居住者は高齢者が多く、今後の住み方に迷いが見られ、生活の変化や住宅の老朽化への対応も広範囲になる。耐震や省エネ等の性能向上の必要性も加わり、継続居住を目指す居住者はリフォーム費用も高額になる傾向である。維持管理履歴を第三者が確認することにより、居住者によるDIYの事後評価や経年的な住宅保証の継続審査、今後の修繕計画立案など、個別な居住者支援を行う機会となる。各自治体で地域の住宅の状況を把握でき、既存住宅のリフォームや流通促進に繋がり、空き家予防対策に寄与することが期待できる。 2.リフォームに関わる職能の専門性の認定 既存状況調査技術者は中古住宅流通の鍵を握る技術者であるが、中古住宅の売買に必須要件ではないのが現状である。義務付けることで利用が促進され、技術者の職能が担保される。一戸建て住宅の築30年目の法令点検を担う専門家として、既存状況調査技術者の検査方法を規定する機会となる。マンション管理士のように国家資格として、法令点検等と合わせて、取得時の登記→法令点検→リフォーム工事証明書→修繕履歴情報の確認を、認定された職能が行うことを義務付けるのが有効である。 3.資産価値の評価の仕組み 適切に維持管理された個人資産への固定資産税や相続税の減税、点検や修繕費用の補助が考えられ、特に性能や修繕履歴が明らかな住宅への優遇措置が有効である。現行の住宅リフォーム関連の減税概要では贈与税や登録免許税、不動産取得税の特別措置やリフォーム費用への補助制度が既にあるが、耐震性や省エネ性等以外にも日常の維持管理の有効性を図る指標があると、居住者の意識の高まりが期待できる。
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