2023 Fiscal Year Research-status Report
新規食品素材「アクアファバ」に含まれる遊離型オリゴ糖・ペプチドの構造と機能解析
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21K02101
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
木村 万里子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (00351932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 恵 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20434988)
山下 弘高 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40453055)
吉田 和利 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 上席研究員 (40470249)
藤田 裕之 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 教授 (70523819)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 豆類 / 煮汁 / アクアファバ / オリゴ糖 / N-グリカン / 腸内細菌 / ACE阻害活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
① 4種の豆(アズキ,インゲンマメ,エンドウ,ダイズ)煮汁由来オリゴ糖画分のビフィズス菌増殖促進作用(in vitro)は,4種の菌 (B. adolescentis,B. infantis,B. longum,B. pseudocatenulatum) すべてにおいて有意に認められた。 ペプチド画分については,アズキに最も高い活性が認められ,B. longum subsp. infantisとB. adolescentisの増殖を促進した(p < 0.01)。一方,ダイズとエンドウは,B. longum subsp. infantisのみ増殖を有意に促進した。インゲンマメは,4種すべての菌において,増殖促進活性が認められなかった。in vivoでの活性測定は,現在準備中である。 ② 豆煮汁ペプチド画分のACE阻害活性を測定した結果,いずれも高い活性(IC50値:1~6μg/mL)があった。特に活性の高かったインゲンマメとエンドウペプチド画分からHPLCで主要ピークを分取し,それらの活性を測定した結果,インゲンマメに最も高い活性が認められた。このピーク由来のペプチドは,LC-ESI-MSとNMR分析により, 分子量264のγ-グルタミル-S-メチルシステインであると判明した。本ペプチドは消化酵素耐性があり,IC50値は1.2 mg/mLであった。 ③ 4種の豆(アズキ,インゲンマメ,ダイズ,ヒヨコマメ)煮汁の起泡性・泡沫安定性試験,GC/MSによる香り成分分析,嗜好調査を行った。起泡性・安定性は,インゲンマメとヒヨコマメが高かった。嗜好性に大きな違いはなかったが,総合評価ではダイズが,香りはアズキが好まれる傾向が認められた。GC/MS分析で,アズキにのみ2,3-ブタンジオールと3-フランメタノールが検出されたことから,これらが嗜好性に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で研究時間が著しく制約された。また,in vivoでの機能性解析(ヒト糞便の腸内細菌叢への影響)については,実験系を立ち上げる必要があったため,時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,研究分担者とともに,豆煮汁由来オリゴ糖・ペプチド類のin vivoでの機能性解析(ヒト糞便の腸内細菌叢への影響)を8月~9月に実施する予定で、準備(ヒトを対象とした研究倫理委員会への申請書など)をしているところである。
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Causes of Carryover |
研究の遂行が遅れたため。未使用額は,令和6年度の研究にすべて使用する予定である。
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