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2022 Fiscal Year Research-status Report

キシログルカンの分子構造とグルテンフリーパンへの新規活用法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K02111
Research InstitutionBaika Women's University

Principal Investigator

伊藤 聖子  梅花女子大学, 食文化学部, 准教授 (70466506)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsグルテンフリー / キシログルカン / 米粉パン
Outline of Annual Research Achievements

グルテンフリー食材は、澱粉特性やタンパク質組成が小麦粉と異なるため、パンのような発砲食品には欠かせない気泡の保持力と骨格の維持力が乏しく、グルテンフリーパンは膨化が難しい。さらに、保存による物性変化が最大の課題である。そこで本研究では、分子構造が影響するキシログルカンのゲル化特性や低分子物質の包接機能に着目し、グルテンフリー米粉パンの保存性に及ぼすキシログルカン部分分解物の影響を検討した。
2022年度は、キシログルカンをセルラーゼ等で酵素処理した部分分解物を用いてグルテンフリー米粉パンを調製し、製パン性の比較試験を行った。製パン性は、比容積の測定とクラムの画像解析、一定条件で保存したクラムのテクスチャー解析で評価した。酵素処理の反応時間が異なると、比容積とクラムのガスセル面積が異なり、クラムのかたさと凝集性に影響していることが推測された。キシログルカン無置換パンをコントロールとした時、パン生地の発酵試験において、回転式粘度計によるみかけの粘度がコントロールより低値の場合、発酵体積増加率が小さくなる傾向があった。しかし、生地粘度とパンの比容積との間に相関性は認められなかった。酵素未処理のキシログルカンを置換したパンは、クラムの上部に気泡が合一しきめが不均一になる傾向があるが、キシログルカン部分分解物を置換したパンは、画像解析からきめが均一になることが確認された。また、キシログルカンの部分分解に用いた酵素が異なると、反応時間による製パン性への影響も異なることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前年度に測定できなかった試料の分析と、保存による硬化速度の試験に時間を要したため、研究計画に遅れが生じてしまった。しかし、次年度の試験試料を特定することは重要であり、今後の研究実施に問題ないと考える。

Strategy for Future Research Activity

部分分解したキシログルカンと、各キシログルカン置換パンのクラムを試料とし、パンの膨化性とテクスチャーに影響するキシログルカンの分子構造について検討する。パンの解析は、クラムに含まれる遊離糖含量をHPLCで測定するとともに、澱粉分解酵素を用いて澱粉を完全除去後、クラムに残存する糖質をHPAECで解析する。さらに、クラムの澱粉糊化度をグルコアミラーゼ法とDSCで測定し、保存による澱粉の変化に対するキシログルカン部分分解物の影響を検討する。
また、キシログルカン部分分解物の構造を、キシログルカンに特異的な酵素と測鎖分解酵素を組み合わせて作用し、オリゴ糖ユニットを解析することでキシログルカンの分子構造を明らかにする。そして、キシログルカンの分子構造から、グルテンフリー米粉パンの製パン性改善効果や、キシログルカンの澱粉代替効果について考察する。

Causes of Carryover

保存性試験の進行が少し遅れてしまったが、次年度以降の解析と、官能評価の試験に使用する予定である。

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Published: 2023-12-25  

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