2022 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児時間栄養学の確立に向けた食事・睡眠指導の実践的研究
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21K02121
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Research Institution | Aikoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
古谷 彰子 愛国学園短期大学, 家政科 食物栄養専攻, 准教授 (50898484)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 夜食 / 体内時計 / 朝型 / 夜型 / 糖質 / 清涼飲料水 / 入眠時刻 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目で明らかになった、1) 朝型の幼児が喫食していた食材、2) 夜型の幼児が喫食していた食材および喫食時間についての整合性をとるため、6000人規模のアンケートを実施し食生活の規則性、夜食を含む間食、食事内容の摂取状況など調べた。幼児の時点から夜型傾向への生活リズム変化が見られた一方で、小学校進学のタイミングで起床時刻が30分程度早まっていた。また、夜型化に伴い社会的時差ボケや平日の睡眠不足についても、幼児の時点から検出された。幼稚園児と保育園児を比較した場合、昼寝を含めた1日の総睡眠時間は保育園児の方が長かった一方で、昼寝が長い子どもほど夜の寝付きが悪いという結果も明らかになった。家庭内では、父親よりも母親の生活リズムが、子どもの生活リズムと関連しており、特に朝食を家族と一緒に食べる習慣のある子どもほど、朝型傾向な生活リズムであった。朝型傾向と夜型傾向の子どもを比較すると、朝型傾向は、夜食頻度が低く、魚・大豆製品・卵製品の摂取頻度が高く、逆に糖を含むジュース類の摂取頻度が少ないなど、健康的な食習慣が見られた。また、夜型傾向は、夜食におけるアイスクリームや清涼飲料水の摂取頻度が高いのと関連していた。不規則な食事時刻は、身体的・精神的なQOLが低いこと、体格が痩せすぎ、太すぎと両極端方向であることと関連した。古くから朝食の重要性と朝食欠食の健康や学力への負の関連性が報告されてきたが、普段の食事時刻の規則正しさについても検討すべき課題は大きい。昨年予備試験を行った夕飯後の清涼飲料水をやめる指導を本試験したが、幼児は全員入眠時間が前進し、母親も同様に前進した。父親は前進するか変化がないアンケートの結果と照らし合わせても、糖質摂取が夜型化を助長している可能性は明確であり、現在これらの結果を論文にまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の予備試験を本試験としておこなえたこと。裏付けできる大規模アンケートを実施できたことが理由である。試験内容に関して、今回は血糖値は測定せずに睡眠時刻のみ調査したがデータとしてかなり信憑性の高い内容がわかったので、まずは論文としてまとめ、報告しようと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の睡眠時間の前進の理由付けとして、昨年から予備試験を実施していた、夕食後の清涼飲料水についてをメインテーマとしたが、今回の大規模アンケートでアイスクリームも夜型化を助長する原因であると考えられている。夜食として糖質をとることは良くないことは分かったが、そのメカニズムにまで踏み込むこと、そして、逆に夜食として摂るとすればどのような食材が適しているのかを調べることを今後の課題としたい。どのような血糖値変動が起こっているのか、また、睡眠に関しては脳波や深部体温なども一緒に測定していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
前年度コロナ禍でアンケートを実施できなかった分を本年度行ったため、使用学が予定より大きくなった。前年度分の繰越分として使用する計画である。
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