2023 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児時間栄養学の確立に向けた食事・睡眠指導の実践的研究
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21K02121
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Research Institution | Aikoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
古谷 彰子 愛国学園短期大学, その他部局等, 准教授 (50898484)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 時間栄養学 / 夜食 / 体内時計 / 朝型・夜型 / 入眠時間 / 体内時計 / 朝食 / 血糖値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度に明らかとなった夜食として糖質をとることが夜間血糖値上昇を引き起こし、睡眠時間の遅延を引き起こしている可能性をベースに、朝食など他の食事内容をどうカスタマイズすべきか、一方で夜食として摂るとすればどのような食材が適しているのかを調べることを課題とした。 その結果、間食の種類と時間帯を変え夕食後の血糖値変動を見た実験では、夕食の4時間前間食では焼き芋とフルーツグラノーラ、2時間前間食では焼き芋とフルーツグラノーラ、ポテトチップス、ナッツを摂取すると、夕食のドカ食いを抑えるだけでなく、食後血糖値上昇を抑える可能性が示唆された。 また、夕食の糖質を少なくすることで朝食摂取頻度が増えることもわかったのだが、高タンパクの朝食は、昼食と夕食後の朝食後の血糖値を抑制することができるものの、昼食を抜いてしまうと。その効果が減弱することを明らかにしたり、通常の朝食にフルーツグラノーラスナックを追加摂食した場合、平均して15種類の栄養バランスの充足率が上がり、特に充足率の少ない夜型児童の充足率が格段に上がったことがわかった。さらには被験者全体の起床時間が平日11分、休日15分早くなる、排便回数の向上に寄与することも明らかにすることができた。 夜食として適した食材としては、豆類の中でもグリーンピースが適切である可能性があり、さらには雑穀を含んだ食品も夜間の食事として有用性があるのではないかという結果まで出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度実施したアンケート調査の母数が非常に大きかったことから信憑性の高いデータを得ることが出来た。夜食の内容意外にも、別の時間の間食や、朝食、昼食、夕食内容等、どの食事・食材にフォーカスして介入研究を行えば良いかについて見通しを立てることができた。 元々、コロナの影響で介入研究ができずじまいであったが、本年度は介入研究をしやすい情勢であったことも研究の進捗と関わっていると考える。また、子供達自身の食事だけでなく、彼らを取り巻く保護者自身の食習慣や生活習慣を見直すことも重要なファクターであることもわかってきたため、より広い視野を持って研究を遂行することができたのも本年度の大きな強みであったと考える。 本年度行った研究結果を含めた講演会は、全国の栄養士会、保健所、幼稚園、小学校、学童、都庁等、子育てに関わる方々に波及することができ、大変喜ばれた内容となったことからも波及効果も非常に高いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
夜食の内容や、その他の食事内容について、今年度明らかにし報告してきた。しかしながら、夜食を摂らない方が良いと頭でわかっていながらも、共働きや通塾の低年齢化、習い事の多さから、夜遅くに食事を摂らざるを得ない家庭も少なくない。前述した講演会にても、相談や質問が相次いだ内容であった。 そのため来年度は、本年度基礎実験で明らかとなった夜食として適した食材(グリーンピースや、雑穀類)に着目して、追加試験を行う予定である。そして、試験で明らかとなった知見を論文にまとめ上げ、時間栄養学としてのエビデンスを増やしていくことを課題とする。 この研究が推進することで、本来摂取すべきではない夜食という位置付けは変わらないものの、もし摂らざるを得ないのであれば、食材や献立の優先順位をこのようにつけたほうがいい。等の代替案を提示できるようになるのではないかと考える。そして、将来的には各家庭のライフスタイルに応じたオーダーメイド栄養指導に結び付けることが出来ることを期待したい。
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Causes of Carryover |
昨年の時点では、まだコロナやインフルエンザ等の影響が大きくアンケート調査をベースに論文作成等を行う予定でいたが、情勢が変化し介入研究の兆しが見られたことでさらに踏み込んだ研究を行うことが出来たため。
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