2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the disc unit for yarn processing using non-contact type yarn form inspection system in online
Project/Area Number |
21K02123
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
金田 直人 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (10507148)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 繊維機械 / 仮撚加工 / 撚り効率 / 糸張力 / 摩擦力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,衣服等の繊維製品に用いられる仮撚加工糸を対象とし,非接触型のオンライン糸形態検査システムを駆使した汎用仮撚加工機で容易に取付け可能なディスクユニットを開発することを目的としている. 令和3年度では,まず仮撚加工機のモデル機を用いて冷間・熱間状態でのサージング現象(糸の不安定挙動)の確認を行った.ここでは非接触型のオンライン糸形態検査システムを用いて,加工要素を限定した冷間・熱間加工においてサージングの発生条件を調査した.仮撚加工法は,原則ヒータを用いた熱間加工が必須条件となるが,熱応力を除いた冷間加工でのサージング現象の把握は,「撚りのみ」といった簡素化した加工条件で糸形態・糸速度・糸温度・糸張力等を検証することができ,ディスクユニットが付与する糸への撚りとサージング現象の発生要因との関係を明確にできると期待している.ここで冷間加工の実験のため,実験装置の改善および使用する原糸の選定を行った.なお,原糸にはポリエステルである半延伸糸POYと延伸糸FDYを使用した.原糸の選定の結果,延伸糸FDYはディスクユニットからの撚りを付与しやすいが,サージングが発生しにくいことから,サージングを把握しやすい半延伸糸POYを用いることとした. 冷間・熱間加工でのサージング現象の確認結果より,冷間加工でもサージングの発生を確認することができた.また,冷間加工でのサージングは,熱間加工と比べて糸張力が高く,加工条件での発生領域が熱間加工に比べて少ないことがが明らかとなった.ここで,熱応力は化学繊維である原糸の延伸に影響することから糸張力に,糸張力は糸とディスクとの摩擦力に影響することから撚りに起因するため,それぞれには相関があることが確認できた.以上より,熱応力を除いた「撚りのみ」での簡素化された冷間加工でもサージング現象を検証することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度では,冷間・熱間加工でのサージング現象の把握に加え,万能試験機に恒温槽を設置して糸物性を評価し,サージングの発生要因を考察することを目標としていたが,昨今の半導体の供給不足の問題から,購入を予定していた恒温槽が令和4年度4月に設置されたため,糸物性の観点からの考察には至っていない.しかしながら,冷間加工でサージング現象を検証可能ということを明らかにできたことから,本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
まず令和3年度予定していた糸物性の観点からのサージング現象の発生要因について検証する.これと並行して,令和4年度では冷間加工においてディスクユニットの形状・材質・枚数等を含めたユニット構成の検証を行う.ディスク形状は凸型や曲面型,材質はセラミックスやポリウレタン等,幅広い選択肢があるため,サージングが抑制できる最適なユニット構成を検証し,高速生産に優れたディスクユニットを開発することを目標とする.
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Causes of Carryover |
令和3年度購入予定の恒温槽が,半導体の供給不足により年度内に恒温槽を設置をすることができず,令和4年度4月に設置されたため.
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Research Products
(3 results)