2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K02133
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
南里 明子 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (80523646)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 肉類 / 調理法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究対象の職域集団における既存データ(18~69歳の男女1832名)を用いて、肉類の調理法と糖代謝異常との断面的関連について検討をした。対象者は、肉類の最も多い調理法を生、煮る、焼く、揚げる、炒めるの5つの選択肢から1つ回答した。糖代謝異常は、糖尿病の既往歴、血糖降下薬の使用、空腹時血糖110 mg/dl以上、HbA1c 6.0%以上のいずれかに該当する者とした。肉類の最も多い調理法が「焼く」群を基準として、他の調理法の糖代謝異常のオッズ比を求めたところ、調理法と糖代謝異常との有意な関連は認めなかった。性、年齢、BMI、肉の摂取量などを調整後、糖代謝異常の多変量調整オッズ比(95%信頼区間)は、「煮る」1.19(0.50-2.87)、「揚げる」1.19(0.50-2.87)、「炒める」0.73(0.49-1.10)であった。(肉の最も多い調理法が「生」と回答した人は2名であったため解析から除外した。) また、同データ(18~69歳の男女1842名)を用いて、肉類の摂取量および肉の種類別摂取量と糖代謝異常との断面的関連を検討したところ、肉類の総摂取量と糖代謝異常および糖尿病との関連は認めなかったが、赤肉および加工肉の摂取量が多い群では少ない群と比べて、糖尿病のオッズ比が有意に高かった(赤肉:オッズ比2.08、95%信頼区間1.12-4.17;加工肉:オッズ比2.09、95%信頼区間1.12-3.91)。一方、鶏肉の摂取は糖尿病との関連を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関東の1事業所での疫学調査を予定しており、新型コロナウイルス感染症の影響により直接調査に携わることができたなかったが、計画通りに調査が実施された。2022年度実施予定の調査についても、対象の職域と調整を行っており、全面的に協力いただける見込みである。 解析に関しては、断面データを用いた解析ではあるが、本研究の目的である肉類の調理法について糖代謝異常との関連を明らかにした。また、肉類の摂取量および肉類の種類別摂取量と糖代謝異常との関連についても検討し、学会での発表を予定している。さらに、現在、本研究の目的である食事の摂取時間ではないが、食行動について糖代謝異常および肥満との関連について検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も計画通りに進めていく予定である。2022年度は疫学調査を実施するが、対象の職域には既に説明をし了承を得ているため、円滑に進めることができると予想される。まずは研究計画書を作成、倫理審査委員会にて承認を得た後、調査準備、調査実施、調査後のデータ整理等を進めていく。また、同時進行で、前年度解析した内容(肉類の調理法と糖代謝異常、肉類の摂取量と糖代謝異常)について学会発表、論文作成を進める。その他、食行動(朝食欠食、夕食後の間食、就寝前の夕食、食べる速さ)について糖代謝異常や糖尿病の重要な危険因子である肥満との関連について検討を行い、学会発表、論文作成へと進める。さらに、食事の摂取時間についても糖代謝異常および肥満との関連について検討を行う。
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Causes of Carryover |
初年度予定していた関東での疫学調査では、新型コロナウイルス感染症の影響により、直接調査に携わることができず、調査に伴う旅費の使用がなかった。また、参加した学会もオンラインで開催されたため、旅費が発生しなかった。 初年度使用予定であった研究費については、翌年度以降の調査や学会参加等で使用する予定である。
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