2022 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナ禍による社会ストレスと中枢神経で作用する遺伝子多型の摂食行動への影響
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21K02149
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山崎 雅之 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (60379683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名越 究 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (20894140)
安部 孝文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30794953)
矢野 彰三 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (80403450)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝子多型 / 肥満 / 食行動 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS:Genome Wide Association Study)から見つかっている生活習慣病に関わる遺伝子多型には,欧米人,日本人を含むアジア人に共通して,既知の遺伝子多型より非常に強力な因子であるものが存在することが報告されている。これらの遺伝子は、これまで報告があった肝臓や筋肉などの臓器で代謝に特異的に関与するのではなく,中枢神経(CNS: Central nervous system)に局在が認められている。このことから,GWASで見つかっている遺伝子多型の中には、中枢神経特に視床下部で作用し,食行動(過食や間食などの摂食行動異常)に関連している可能性がある。本研究では、これら遺伝子多型と食行動の関係の解析を目的としている。 本年度も、引き続き自治体との共同研究により市町村健診において、島根スタディの研究参加同意者の調査を行った。また、コロナ禍により、調査項目に制限があり、糖尿病,脂質異常症,高血糖症などの疾患情報の収集(既往歴,現病歴,服薬状況),生活習慣調査(運動習慣,仕事内容等),体格指標,血液生化学検査(血糖,中性脂肪,総コレステロール,HDLコレステロール,ヘモグロビンA1c)、尿中ナトリウム濃度検査はできたものの、食事に関連する調査は、十分にできていない。これまでに採取した血液(バフィーコート)からDNAの抽出に関しては順調に行い、同時に抽出したDNAを用い、食行動に関連している可能性ある遺伝子多型解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BDHQによる食事調査に関してはコロナ禍の影響もあり、遅れている。来年度以降も,隠岐郡隠岐の島町,雲南市(掛谷町,三刀屋町,大東町,加茂町,吉田町,木次町),邑智郡邑南町の島根スタディの研究参加同意者に対して,疾患情報の収集(既往歴,現病歴,服薬状況),生活習慣調査(運動,仕事内容等),体格指標,血液生化学検査(血糖,中性脂肪,総コレステロール,HDLコレステロール,HbA1c)、尿中ナトリウム濃度検査を行う。遺伝子多型解析では,研究参加同意者の血液サンプル(バフィーコート)よりゲノムDNAの回収を引き続き行い、食行動に関連する可能性のある遺伝子の遺伝子多型解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、BDHQによる食事調査に関して、自治体と協議し積極的に調査を進める。また、これまでに取得した食行動データの解析を進める。自治体での出調査は、来年度以降も計画どおり,島根スタディの研究参加同意者のコホート追跡調査として,隠岐郡隠岐の島町,雲南市(掛谷町,三刀屋町,大東町,加茂町,吉田町,木次町),邑智郡邑南町にて調査を行う。 また,遺伝子多型解析では,研究参加同意者の血液サンプル(バフィーコート)よりゲノムDNAの回収を引き続き行い、食行動に影響していると考えられる遺伝子を中心に多型解析を進める。
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Causes of Carryover |
本年度の現地調査は行ったが,コロナ禍により自治体との調整の遅れにより,計画どうりの調査が遅れている。現地調査,調査データの処理,統計処理に若干の遅れが生じているため,購入予定物品の購入もあわせて遅れている
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