2023 Fiscal Year Research-status Report
教員養成に関する国際交流研究:ジャーマン・インパクトを中心に
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21K02198
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾上 雅信 岡山大学, 教育学域, 特任教授 (40177275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 淳 岡山大学, 教育学域, 教授 (00274035)
平田 仁胤 岡山大学, 教育学域, 准教授 (50582227)
梶井 一暁 岡山大学, 教育学域, 教授 (60342094)
小林 万里子 岡山大学, 教育学域, 准教授 (90325134) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教員養成 / 教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フランス、イギリス、オーストリア(ハンガリー帝国)、ロシア、そして日本を具体的な研究対象としてとりあげ、各国相互に如何なる影響関係のなかで教員養成の改革を展開してきたか、その具体的な実態を明らかにすることにより、特定モデルの受容パターンを解明し類型化をめざすところにある。 本年度は4か年計画の3年目であり、研究作業の第2段階にあたる。具体的には、対象各国におけるキー・パースンとなる人物の、ドイツ(プロイセン)教育思想と制度の理解と受容の特質を抽出する作業の段階である。まずは欧州4か国について実施し、その結果を持ち寄り比較検討することにより、各国におけるジャーマン・インパクトの具体的な特質を確認することをめざす作業である。 しかしながら各対象国の教員養成にかかわる思想と制度の分析も未だ不十分な状況であり、かつ、そのために必須となる資料の収集についても、残念ながらコロナ感染、さらにはウクライナにおける紛争による海外渡航の制限(とりわけロシア関係)により入手さえ不十分な状態であり、全体として本年度においては第2段階の作業課題に関しては、所期の目的を達成することはできなかった。その一方、オンライン購入や国内での刊行文献購入によって入手できた基本的文献にもとづいて、各対象国の教員養成にかかわる思想と制度の分析は継続的にすすめることができた。また、共同研究としての取り組みについては、簡単な意見・情報交換は定期的に実施することができ、互いの進捗状況を確認することはできた。年度末の3月27日(水)にはオンライン会議により、メンバー各自の研究進捗状況について報告し、あわせて尾上から、他の研究会における個別の研究発表についての報告があり、内容の紹介を行なうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料収集については、海外出張はできなかったが、当初の計画に従い、各分担者が文献調査に基づき必要資料をある程度収集することができたことに加え、一部は原資料(原典の復刻版)も入手することができた。とはいえまだまだ不十分な状況であることは否めない。 しかしながら、共同研究の副産物として、1名が他研究機関の研究会に招聘され、今回の研究成果の一部を口頭発表することができ、また、2名のメンバーが執筆した大学(修士課程)の教育史テキストに、対象国別の検討結果の一部の研究内容を盛り込むことができた。 その一方で、主要メンバーが公的業務(管理職就任、学部の改革担当等)のため研究に専念できない状態がつづき、キー・パースンとなる人物が教員養成の思想と制度について、ドイツ・モデルの何を、どのように理解し、取捨選択、受容しようとしたかについての検討は個別・個人的なレベルにとどまり、この点につき、相互に確認し合いながら行うという第2段階の研究課題を年度内に達成することがかなわなかった。これらのことを総合的に考慮して、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
全体として当初の研究計画から遅れており、加えて分析対象各国それぞれ資料も未だ不十分であり、これについては次年度も継続して積極的に収集に努め、第2段階の課題、すなわちキー・パースンとなる人物が教員養成の思想と制度について、ドイツ・モデルの何を、どのように理解し、取捨選択、受容しようとしたかの点につき、各対象国ごとに研究を進めるとともにメンバー相互に確認し合いながら当初の計画に従って作業を遂行したい。 次年度は最終年度にあたるので、共同研究の目標として、これまでの対象国個別の予備的な考察と、それらの成果を踏まえた今後の共同研究・討議に基づいて、可能な範囲の個別的な分析成果を整理し、教育史関係学会で共同発表を行うことを目ざしたい。
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Causes of Carryover |
ウクライナ紛争などのため海外渡航が制限されたこと(とくにロシア及びフランス関係)、及び主要メンバーが公的業務(管理職就任、学部の改革担当等)のため資料収集のための出張をはじめ研究に十分専念できない状態となったことが主な理由である。 次年度には当初の計画に従って文献収集に努めるとともに、海外への資料収集のための出張が引き続き困難な場合には、次善の策として国内の、おもに東京大学、筑波大学、名古屋大学などの大学附属図書館、さらに国会図書館及び古文書館などを活用(出張)し、資料収集に努めることとしたい。
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