2021 Fiscal Year Research-status Report
A Research on Teachers' Professional Development through Their Experience at Japanese International Schools Abroad
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21K02214
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
岩田 康之 東京学芸大学, 次世代教育研究センター, 教授 (40334461)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教師教育 / 在外教育施設 / 職能成長 / キャリア形成 / グローバル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバル化の進行する中での教師の職能成長プロセスに焦点づけ、在外教育施設(日本人学校)での実習や勤務の経験を持って日本の学校で教育実践にあたる教師たち、およびその前段階にある者(具体的には【1】教員養成段階にある学生、【2】学卒後日本人学校に入職し勤務する教員、【3】帰国後日本の学校に勤務する教員、の三グループ)を主な対象とした量的・質的調査を行うことを企図している。 この調査を通じて、入職前の教員養成プログラムと、それにつながる入職後のキャリア支援を連続して把握し、グローバルな視野を持って継続的に実践を行う手立ての検討につなげていくことを目的としている。 今年度は、研究の開始にあたり、(1)先行研究等の資料収集、(2)調査対象として設定した【1】【2】【3】各グループの予備的な調査、(3)これらを踏まえた、在外教育施設における教育課題と教師の職能成長に関わる課題の検討、を行っている。折しもCOVID-19の影響で上記【2】に関わる訪問調査(参与観察)は行えなかったものの、オンライン会議ツール等、ウエブ媒体の活用によって、いくつかの事例校(東南アジア、バンコク日本人学校等)に即して、具体的な課題(当該校の教育課題、そこでの教師たちの職能成長の課題等)を把握することができた。 総じていえば初年度は、概ね当初の予定に近い成果を挙げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で設定した三グループの対象者のうち、【1】教員養成段階にある学生、および【3】帰国後日本の学校に勤務する教員、の両者については、国内でのヒアリングが主体であるためにCOVID-19の影響は受けなかったものの、【2】学卒後日本人学校に入職し勤務する教員、については、オンライン会議ツールを利用しての調査に限られることとなった。参与観察の機会は持てなかったものの、基本的な課題把握は概ね当初の計画通り行えたとみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、本研究で設定した三つの対象者グループのうち、【2】に関わる部分(日本人学校勤務中の教員)の参与観察が遅れ気味である状況を勘案し、ポスト・コロナの状況を見据えつつ、次年度以降に海外の日本人学校への訪問調査・参与観察等を活発に行っていく予定である。 また、初年度で判明した課題(日本人学校の抱える教育課題・組織運営上の課題、そこでの勤務を経験した教師たちの意識調査等)に関して整理を行い、中間的な成果発表(日本国内の教育系学会を想定)を行うことも計画している。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で海外渡航ができず、日本人学校への訪問調査・参与観察等が行えなかったこと、および国内の教育系学会の大会がオンライン開催に転換したことにより、旅費の支出がなかったことによる。 この結果生じた次年度使用額については、渡航が可能になった時点で改めて海外の日本人学校への訪問調査・参与観察等を行うことで支出する予定である。
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