2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Disaster Prevention Program in Educational Profession Training and its Global Diffusion
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21K02220
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野元 弘幸 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (70261873)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防災教育 / 教員養成 / 社会教育主事養成 / 東日本大震災 / 鉄道防災教育 / 社会教育主事講習 / 公民館職員 / 社会教育士 |
Outline of Annual Research Achievements |
教員や社会教育主事(社会教育士)の養成・研修において防災教育がどのように位置づけられ、具体的にどのような中身で行われているかの情報・資料取集を行い、それに基づいて、2022年度に行う実験的な防災教育に関する授業のためのシラバス案作りを行った。情報・資料収集では、新型コロナ感染症の拡大に伴う行動制限があったことから、社会教育主事養成・研修に重点を置いて調査を行った。被災経験のある大学での社会教育主事講習において防災に関する講義が一部行われてはいるものの、各講習での位置づけや内容は専門的力量を習得するには不十分であった。また、職員研修においては、岡山市の公民館でほぼすべての職員が防災士の資格を研修を通じて取得していることに着目し、公民館職員が防災に強いまちづくりを目指して防災に関する力量を身につける意義とそこに至る経緯について明らかにした。 これらの情報・資料収集をもとに、主として教員と社会教育主事(社会教育士)の資格取得を目指す学生を対象とする防災教育に関する実験授業のシラバス案を作成した。東日本大震災での被災と津波防災教育の経験と教訓から学ぶと同時に、鉄道防災という新しい課題にも着目しつつ、多角的で学生自身の行動に結びつくことを意識した授業案を作成した。その際に、コロナ禍でのオンライン授業の経験と環境を活用して、被災当事者の生の声を遠隔授業で聞く機会を作った。また、地域の防災訓練などに参加したことのない学生が、自らの防災行動計画を立てて、実際に参加する機会を持てるような、行動変容を重視したプログラムとすることに留意した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の拡大に伴い、出張を行っての現地での聞き取りやインタビュー調査を行うことがほとんでできず、制限されたなかでの研究となった。オンラインでのインタビューなども行ったが、入手できる情報はやはり限られた。 また、国際的展開という点でも、ニュージーランドの研究者や自治体職員(危機管理)との交流は難しく、ほとんど進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年(1年目)は、教員養成課程における防災教育の現状把握がコロナ禍で十分に行えなかったが、2年目の2022年には、予定している教員および社会教育主事(社会教育士)養成・研修において活用できる防災教育プログラムの実験的授業を行う方針である。すでに、東日本大震災被災地からのいくつかの報告を依頼する予定で、経験者や「語り部」として活躍する元教員などに依頼済である。可能な限り多くの学生に講演等を聴いてもらい、プログラム改善のための評価にも参加してもらう予定である。 同時に、本年度に十分に実施できなかった教員養成課程での防災教育の実態把握を継続して行なう予定である。 また、国際展開のための共同研究を行っているニュージーランドの研究者や自治体職員との研究・情報交流をコロナ終息後に再開する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国内の大学での聞き取りを行うことができず出張旅費が一部残った。また、国際展開に必要なニュージーランドとの共同研究を行うことができず、その旅費も残った。今年度、コロナの感染拡大が収まり行動制限が緩和されたのちに、昨年度実施できなかった国内外の調査旅行を実施して、遅れを取り戻す予定である。
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