2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Disaster Prevention Program in Educational Profession Training and its Global Diffusion
Project/Area Number |
21K02220
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野元 弘幸 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (70261873)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防災教育 / 被災地訪問学習 / 教員養成 / 社会教育主事養成 / 防災行動計画 / ニュージーランド / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震に伴い想定される災害を最小限に食い止めるための学校や地域での防災の取り組みにおいて、中核的で指導的な役割を果たすことが求められる教員や社会教育職員の養成や研修における防災教育の充実を目指して、そのプログラムの開発と国際的展開を行うことにあった。 今年度は防災教育のプログラム開発に関連してその教育方法が注目されるパウロ・フレイレの教育論に関する研究を行うと同時に、ニュージーランドとの国際共同研究を実施した。前者のパウロ・フレイレ教育論は岩手県釜石市の津波防災教育の学際的カリキュラムの方法論と重なるもので、今後の国際的な防災教育の展開においても注目されるものである。後者の防災教育プログラムの国際的展開では、ニュージーランド・タウランガ市などの防災職員や小学校教員、ワイカト大学教員との研究協議を行い、国際共同研究の枠組みを構築して発展させた。その際に、研究協力者として石巻市佐藤敏郎氏、大船渡市柏崎正明氏も現地で報告を行い、質の高い研究交流に寄与し、現地の職員・研究者から高い評価を受けた。共同研究の研究成果は今後英語により出版される予定である。 研究期間全体を通じての成果は、1点目は教育専門職養成課程での防災教育プログラムの重要性をあらためて再確認できた点である。現場の職員との対話や「被災地訪問学習」に参加した学生の評価は極めて高かった。2点目は教育専門職養成のために試行した「防災教育プログラム」の有効性を確認できた点である。都立大で実施した実験的授業実践の取り組みに加えて「被災地訪問学習」を実施できたことも大きな成果と言える。3点目は、プログラムの国際的な展開という視点から、ニュージーランドとの研究交流が実現し、今後の国際的共同研究の基盤を築くことができた点である。災害が多発する日本・世界で研究成果を積極的に生かしたい。
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