2021 Fiscal Year Research-status Report
薬剤師教育の質保証と各大学のニーズに基づく教育を可能にするフレームワークの作成
Project/Area Number |
21K02221
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
武田 香陽子 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (50383740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 收正 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (30199062)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬剤師教育 / フレームワーク / 多職種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は薬学教育を「学部教育」、「新人薬剤師教育」、「ベテラン薬剤師教育」として生涯教育と捉え 、その中の「学部教育」および次の段階の「新人薬剤師教育」を繋げる大枠を大学側の教育視点から作成することである。つまり、学部教育と新人薬剤師に対する教育に「社会のニーズ」や「薬剤師として求めらえる資質・能力」を調査結果を踏まえて検討し、各大学の多様性を見極めながら、寛容性(柔軟性)のあるフレームワークとしての大枠を作成することである。 2021年度科研費実施状況については、科研費採択前に実施していた6年制薬学教育の評価を元に、6年制薬剤師教育あるいは現在の薬剤師の働きについて多職種に評価してもらった。調査方法は医師304名および看護師336名に対してのWebによるアンケート調査を実施した。この調査結果について、現在、論文投稿準備中である。 さらに、2024年度に向けた薬剤師モデル・コアカリキュラム改訂に伴い、文科省より新しいモデル・コア・カリキュラムの大枠が公表されたことから、カリキュラム作成および質を担保するためのカリキュラムのフレームワークをMiller's piramidに基づいて作成し、海外のNottingham大学の荒川直子先生にアドバイスを受けながら、どの大学でも利用可能なフレームワークの第一段階を作成した。現在は、研究責任者の大学において2024年に改訂されるモデル・コアカリキュラムの本学のカリキュラム作成のための土台として利用しており、これから様々な調整を行いつつ、他大学でも利用可能な内容にできるように検討をしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況については概ね順調に進行中である。特に、多職種からの薬剤師に対する要望、つまり、日本の薬剤師に今後求められる役割についてアンケートを医師、看護師に実施済みであり、それらの調査結果の内容については現在執筆中である。 フレームワークの作成については、Miller's piramidを利用し、学修成果基盤型教育の本質を示しつつ、各大学の求めるDPに沿って各資質を育成できるようなフレームワークの作成は第一段階として終了している。この第一段階フレームワークについてはNottingham大学の荒川直子先生に意見を聞いた上で作成した。 現在、2024年度モデルコアカリキュラム改訂時の北海道科学大学のカリキュラム構成に利用するために、2021年12月に本学学内での第一段階に作成したフレームワークの周知徹底を各分野・科目の代表教員へ行い、理解を深めてもらった。現在は本学学内でその第一段階のフレームワークを用いて2024年度に改訂予定のモデル・コアカリキュラムの作成を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、2024年度モデルコアカリキュラム改訂時の北海道科学大学薬学部のカリキュラム構成に利用するために、学内で第一段階のフレームワークの周知徹底を各分野の代表教員へ行い、理解を深めてもらった。現在は本学学内で順調にカリキュラム作成は進んでいる。 フレームワークの作成は第一段階であるが、他大学へのさらなるトライアル先を見つけることは難しい可能性も考えられる。そのため、現在行っている本学でのフレームワークを用いたカリキュラム作成の試みなどを2022-2023年に学会または論文などで公表し、ご指摘を受けることによって、様々な大学のニーズに基づくフレームワーク作成完成へと進めていきたいと考える。さらに、今年度、COVID-19が落ち着いた段階で国際学会に参加できれば、そこでの情報収集などを行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度、2万円程度余剰金が出た理由は調査研究内容が思ったよりも安く調査できたことが理由と考える。今年度は論文執筆に向けた英文校正、論文投稿にかかる費用が増える。さらに、現在使用しているPCが故障したこともあり、PC購入、国際学会などに参加して世界のフレームワークに関する情報収集する、あるいは国内でも今回作成したフレームワークに関する意見なども直接聞く機会を設けるなどする予定である。その場合、出張費などの費用も生じると考えられる。
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