2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and Research of the Interactive Art Education Contents by the Cultural Facilities; Cultural Expansion and Education After the Crisis.
Project/Area Number |
21K02222
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 美紀 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (60570950)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 文化施設 / 芸術教育 / ホール |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19感染拡大の影響で、登校が制限される中、自宅学習を余儀なくされる子供たちの支援のために、世界中の様々な業界や施設が多くの教育的コンテンツをネット上で提供してきた。本研究は、2019年末より始まったCOVID-19感染の拡大の下での、1.コンサートホールや美術館など地域の文化施設が提供した教育プログラム、またそれらが、2.感染拡大収束に向かう中で当該施設・地域の芸術文化教育活動に与えた影響を検証し、3.文化施設の有する教育資源を用いた双方向型芸術教育コンテンツの開発を目的とする。 緊急事態宣言下では、いつも以上に住民が地域に居ざるを得ない時だったからこそ、コンサートホールや美術館などの文化施設は、学校教育とは違った教育の機会を提供し、感染収束後の活動へとつなげる可能性があった。 2022年度はようやく2020年度・2021年度の活動が報告され、研究を進める過程でその実態がおぼろげに見えてくる状態であった。今年度の研究では、独立行政法人日本芸術文化振興会による文化芸術振興費補助金の助成対象から、特に「劇場・音楽堂等機能強化推進事業地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業」のうちの「普及啓発事業」を取り上げ、各ホールのコロナ禍での運営状況を報告書から確認した。 その結果、過酷な状況下にあってホールの活動を支えたのは、ホールがそれまで育ててきた、企画力・人脈・地域とのつながりといったソフト面の蓄積が大きいということだ。これらが、あらゆる人々の流れを止めたコロナ禍にあって、文化施設を中心とした、あるいは文化施設同士が核となって互いにつながり、コミュニケーション(文化圏)を生み出し、バーチャルな可能性を実際の事業へと実現していったことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」にもあるように、2022年度はコロナ禍での活動報告が徐々に公になり、ようやくその実態がおぼろげに見えつつある状態であった。先に触れた日本芸術文化振興会による文化芸術振興費補助金の報告書もかなり密度に差があり、未だその報告書さえ上げられない状況にある施設もある。2022年度は、その中から活発な活動が確認できるいくつかの文化施設へ実際に足を運び、インタビューや実地調査などできたが、文化施設の活動の特性は、その地域性による部分も多く、画一的なオンライン上の調査では見えてこないことが多く、まだまだ基礎データを得るには不十分である。2022年度も刻々と変わるコロナ禍の状況を見据えながらだったため、研究は遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度末より、徐々に実態調査が可能となり、さらに2023年度は、コロナ禍前の日常が戻りつつある状況にあるため、実態調査の事前調査も、これまでなかなか進められなかった実態調査そのものも積極的に行うことができると考えており、昨年度の遅れを取り戻せるよう努める所存である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍対応等により、基礎調査にあたる各文化施設の報告書などが依然として出そろわず、今年度に行う予定だった調査活動が行えなかったため、次年度にインタビューや文化施設の実地調査、分析など研究活動を行う。
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Research Products
(1 results)