2021 Fiscal Year Research-status Report
「小さな拠点」の持続的発展に関する地域学習組織化のための「学習シート」開発
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21K02231
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
上野 景三 西九州大学, 子ども学部, 教授 (30193824)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小さな拠点 / 公民館 / 社会教育 / 地域課題解決 / 学習シート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在、国の地方創生のKPIともなっている「小さな拠点」形成事業に焦点をあて、「小さな拠点」の持続的発展を可能とする方策をさぐろうとするものである。その一助として、「小さな拠点」で展開されている諸活動、とくに学習活動に資するものとして、「地域アセスメント学習シート」の開発に取り組もうとするものである。 初年度は、学際的・基礎的な理論研究を行うために、関連する研究領域の研究進捗状況について確認を行っている。その一方で、全国1867(2019.5)の「小さな拠点」の基礎的情報収集のために、各自治体のHPから「小さな拠点」事業の特色について一覧化する作業に着手したところである。現在、北海道、東北、関東、九州がおわり、残りは北陸、近畿、中国、四国であり、順調に進めているところである。 一覧化の作業から、「小さな拠点」事業の内容からみると、買い物対策、オンデマンド交通、学校跡地利用、鳥獣被害対策、地域産業後継者養成、道の駅の運営、成人式の開催等々への取り組みがみられる。今後内容的な整理が必要である。 担い手としては、地域社会全体の構成員、婦人会のような社会教育団体、集落支援員の配置、地域おこし協力隊の配置など、多様にみられる。 瞥見したかぎりでは、地域的には「小さな拠点」といいつつ小さくない地域も包含されており、また平成の大合併によって周辺部として位置づけられた地域が少なくなく、合併の影響も考慮に入れる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度において、関連領域の研究進捗状況については、可能な範囲ではあるが把握することができた。今後、関連領域の研究蓄積に学び、社会教育学研究としての研究枠組みを構成していかなければならない。 次に「小さな拠点」事業を分析するにあたって各「小さな拠点」事業の基礎的情報の入手を欠かすことができない。初年度は「小さな拠点」事業のすべてについて、自治体のHPからの基礎的情報の入手に着手した。当初は限定的に考えていたが、「小さな拠点」事業は、自治体によってかなりばらつきがみられたことから、全体の基礎的情報の入手は研究遂行上必要性が高いと判断した。そのためアルバイトを雇用し全国のデータの整理を行っている。全国データは、現在、約半数の情報を入手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、一つは社会教育学としての研究枠組みを作成することである。二つには、全国データを整理している途中であるが、規模別、事業内容別、担い手別、課題別、等のいくつかの分析軸をたててデータの分析を行い、その特徴を抽出する予定である。三つには、全国データの中から特徴的な「小さな拠点」を抽出し、聞き取り調査の計画を作ることにしている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍において旅費の支出がなかったためである。このことは、年度当初から想定され、昨年度中には改善される見込みがなかったことから、全国データの収集に切り替えた。そのための人件費に一定額を割いたところである。 次年度は、まだ全国の基礎的データの収集が途中であるため、引き続きアルバイトを雇用し、データの収集と整理にあてる予定である。
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Research Products
(3 results)