2022 Fiscal Year Research-status Report
Making cultural properties used in science education as teaching materials and establishing methods
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21K02232
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Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
坂本 昌弥 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (90804641)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 地域の理科教材の開発 / 文化財の活用 / 地域に根差した理科教育 / 天然記念物 |
Outline of Annual Research Achievements |
理科教育における教材開発,特に「地域の教材化」を目指し,2022年度は前年に調査した「国指定天然記念物種子島阿獄川のマングローブ林」,「鹿児島県指定天然記念物千座の岩屋」の検討,西之表市伊関小学校で実施した「自然観察会」の分析を実施した。また沖縄県伊平屋島にある「伊平屋島の念頭平松」「伊平屋島のウバメガシ群落」の現地調査を実施し,また地元教育委員会とその活用法について協議を実施した。加えて伊平屋島の小中学校教員への研修会を実施し,その意識変化等の分析を現在行っているところである。 研究成果については,第129回日本地質が回学術大会(2022東京・早稲田大会)にてタイトル「指定天然記念物を活用した地学教育の展開」の研究発表,第15回鹿児島地理教育研究会にてタイトル「指定文化財が持つ教材としての価値と活用について」の研究発表を行った。ここでは,学校付近の野外において,理科の観察活動等を実施する必要があると考える教師が多い反面,場所や教材の選定等が小・中学校教員には課題となっており,それを解消するために,指定文化財を教材化する意義を述べた。また具体的な指定天然記念物の教材化例を検討し,各地に存在する指定文化財を,今後学校教育の中でどのように活用していくかを例示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の遅延は,2021年度~2022年度にかけて,新型コロナウイルス拡大防止策によって,教育委員会,学校教員,児童生徒との協議や観察会が実施困難であったため。 理由としては,協議や現地調査等を依頼しても,教育現場で策定されている感染防止マニュアルに照らし合わせた対応がなされるため,多くの場合は協議等が断られた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症が5類となったため,教育委員会,学校教員,児童生徒と協働した研究が推進できると思われるため,積極的に国指定天然記念物である「溝ノ口洞穴」,「喜界島の隆起サンゴ礁上植物群落」,及び鹿児島県指定名勝「桜島」において,効果的な理科教育用教材としての文化財活用プログラムの策定ならびに開発を実施する。また現在,小・中学校において野外観察が実施できない理由である「野外観察を行う適当な素材や場所がない」に対する地域の教材開発法を研究し,論文の形で明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
【理由】新型コロナウイルス拡大防止のため,現地調査等が実施できなかったため 【計画】現地調査・協議等を実施(熊本,鹿児島,沖縄,フィリピン,インドネシア等)予定
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