2022 Fiscal Year Research-status Report
前世紀転換期イギリスのエゴ・ドキュメント(書簡)にみる虐待児・極貧児の教育経験
Project/Area Number |
21K02238
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三時 眞貴子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90335711)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イギリス / インダストリアル・スクール / 児童保護 / 虐待 / エゴ・ドキュメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インダストリアル・スクール出身者が、退校後に学校宛に書き送った書簡を分析することで、彼らが自らの教育経験をどのように語 ったのかを考察し、社会的に脆弱な子どもである虐待児や極貧児にとって、教育経験がどのような意味を持っていたのかについて、その一端を 明らかにする。 今回用いる書簡は、1879年から1964年の間にマンチェスタのカトリック系インダストリアル・スクール、セント・ジョセフ・スクール(男子校 )宛に送られた書簡の内、個人情報の点から利用可能な1920年までの書簡およそ200通である。近年のエゴ・ドキュメント研究に学びつつ、こ れらを事実ではなく自分語りの言葉として分析するものである。 本研究は、インダストリアル・スクール出身者が、退校後に学校宛に書き送った書簡を分析することで、彼らが自らの教育経験をどのように語 ったのかを考察し、社会的に脆弱な子どもである虐待児や極貧児にとって、教育経験がどのような意味を持っていたのかについて、その一端を明らかにする。 今回用いる書簡は、1879年から1964年の間にマンチェスタのカトリック系インダストリアル・スクール、セント・ジョセフ・スクール(男子校 )宛に送られた書簡の内、個人情報の点から利用可能な1920年までの書簡およそ200通である。近年のエゴ・ドキュメント研究に学びつつ、こ れらを事実ではなく自分語りの言葉として分析する。 本年度はインダストリアル・スクールを含む教育支援の全国組織、Reformatory and Refu ge Unionの雑誌Seeking and Savingと、同組織の年一回の全国大会の報告書を分析し、イギリス国内のインダストリアル・スクールに 関わる児童保護活動の内容と課題を明らかにした。また近年のエゴ・ドキュメント研究について整理し、書簡の分析を進めている途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インダストリアル・スクールを含む教育支援の全国組織、Reformatory and Refu ge Unionの雑誌Seeking and Savingと、同組織の年一回の全国大会の報告書を分析し、イギリス国内のインダストリアル・スクールに 関わる児童保護活動の内容と課題を明らかにし、その成果を社会経済史学会で報告することができた。 また書簡の分析は今年度と来年度で進める予定であるため、順調に進めている。 しかしながら渡英して、書簡に出てくる人物の調査を行う予定であったが、コロナの影響でそれが叶わなかった。次年度は渡英し、この部分をしっかり調査したい。
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Strategy for Future Research Activity |
1879年から1964年の間にマンチェスタのカトリック系インダストリアル・スクール、セント・ジョセフ・スクール(男子校 )宛に送られた書簡の内、個人情報の点から利用可能な1920年までの書簡およそ200通の分析を継続して進める。 また、渡英して以下の調査を行う。各書簡には、名前と住所、入学記録の番号が付されている。その入学記録には、名前や住所、出身地や生年月日、洗礼を受けた教会の記録等が記されている。そこで、差出人と入学記録を付き合わせて、彼らの情報を得たのち、それを元に渡英し、イギリスのマンチェスタ公文書館に収められている教 区簿や19世紀以降の住民データベース等を用いて彼らの家族関係について情報を取集、整理する。
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Causes of Carryover |
都営の予定であったが、コロナの関係で叶わなかった。 今年度は渡英し、関係者についての調査を行う。
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Research Products
(4 results)