2021 Fiscal Year Research-status Report
学校事務職員の役割機能と職能成長に関する日英比較研究
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21K02243
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 清 前橋工科大学, 工学部, 教授 (40554671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 望 群馬大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10646920)
植田 みどり 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (20380785)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学校事務 / イギリス / 職能成長 / 学校マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校のマネジメント力向上に資する学校事務職員の役割機能とそれを導く適当な職能成長の在り方を、日英比較を通して追究することを目的としている。そのために、①日英の学校事務職員の役割機能や職能成長の機会等を学校経営実態に照らして検討する。②日英の比較検討を通して、学校のマネジメント力向上のために求められる学校事務職員像の実相を解明する。そして、③得られた知見の有効性・汎用性を、学校経営実態に照らして、検討する。 本研究の1年目にあたる今年度は、(1)日英における学校事務職員に関する先行研究の整理・分析を行った。(2)研究協力者である学校事務職員研究会(ハートの会)のメンバーとともに、日本の学校事務職員の職務環境や職務実態、研修実態等について、整理を行った。 (1)については、日本教育事務学会年報の論考、学校事務職員について多くの論考を発表している藤原文雄氏(国立教育政策研究所)の論考を中心に、ハート会において現職学校事務職員とともに検討した。学校教育法の改正を踏まえ、「リソースマネージャー」としての役割機能が求められること、研修体系の充実が求められることが確認された。(2)については、「一人配置」という状況から、とりわけ新人事務職員の職能成長が課題であり、重要であること、共同学校事務室の運営上の課題等について、共有された。また、職能成長機会と関連したキャリアマップの重要性と必要性もまた、確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、日英それぞれの学校事務職員にどのような役割機能が与えられているのか、どのように職能成長が図られているのかを比較検討することで、学校マネジメント力向上に資する学校事務職員像を解明にすることを主眼としている。そのため、今年度は、先行研究の整理・分析を主に行った。また、研究協力者である現職学校事務職員とともに、学校内外での職務実態等について整理を行った。一方、今年度、英国への訪問調査を予定していたが、COVID-19の影響から実施することができず、インターネットを中心とした資料・情報収集が主となった。英国事例の分析は十分とは言えず、若干の遅れがみられるが、来年度に現地訪問調査を実施すべくその準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究の2年目にあたる。引き続き、学校経営実態に即した日英の学校事務職員の役割機能や職能成長の在り方について、検討を行う。また、ハートの会を有効活用し、実態に応じた分析を行っていく。COVID-19の状況を勘案しながら、英国調査を実施する。 具体的には、次年度の方針として、以下が挙げられる。 (1)日本における先行研究を更に収集・分析する。あわせて、ハートの会メンバーの協力に基づき、実際の学校における学校事務職員の役割や研修について、実態に即した検討・分析を行う。 (2)英国における先行研究を収集・分析する。現地の研究協力者とともに、訪問調査を計画・実施する。英国の学校事務職員の役割機能や職能成長の機会等について、整理する。
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Causes of Carryover |
次年度に使用することのできる研究費が生じた理由として、COVID-19の影響により、英国への訪問調査ができず、旅費の支出を行うことができなかったことが挙げられる。そのため、繰越額が生じている。 こうした状況を踏まえ、繰越した研究費は、主に調査旅費に充てる。今後もCOVID-19の影響により更なる変更が予想されるが、英国現地研究協力者と密に連絡を取りながら、訪問調査の準備、及びオンラインを活用した研究打ち合わせ等を通して、研究を進めていく。
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