2023 Fiscal Year Annual Research Report
体験教育学にもとづく「社会への開かれ」の推進 ―新科目「公共」の射程として―
Project/Area Number |
21K02262
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 敏子 三重大学, 教育学部, 教授 (20269129)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会への開かれ |
Outline of Annual Research Achievements |
新教育運動の一環として「一市民として責任を担いうる次世代を育成すること」を目指して展開された体験教育学の構想と実践を検証することで、「選挙権を持つ市民として社会の運営を担える人材を育成すること」を目指し高等学校で新たに加えられた必履修科目「公共」の学びをより実効性あるものにするための取り組みを探求した。 「地域」を想定する「社会」への開かれと同時に「グローバルな空間」を想定する「社会」への開かれを促進する試みを必履修科目「公共」の授業のなかに組み込むことを視野に検討する研究過程において、本研究の特色は以下の3点に集約することができる。1点目としては、ドイツ新教育運動に端を発する体験教育学を補助線として用いた。2点目としては、必履修科目「公共」の高等学校への導入にあたって使用されることになった12種類の教科書の一つ一つについて構成および内容を分析し比較した。3点目としては、現時点で現実として横たわっている「地域」を想定する「社会」の姿および「グローバルな空間」を想定する「社会」の姿を直視しながら現在高等学校で学ぶ生徒がただちに活用可能な試みを念頭に提案を行った。 現在使用されている12種類の教科書を活用することを前提としつつ「地域」を想定する「社会」への開かれおよび「グローバルな空間」を想定する「社会」への開かれを促進するための実効性を高める実践について行った検討を体験教育学の実践に照らし合わせることで、「地域」を想定する「社会」への開かれと同時に「グローバルな空間」を想定する「社会」への開かれを促進する試みを必履修科目「公共」の授業のなかに組み込むという観点からその「可能性」と「問題点」を浮かび上がらせることができた。
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[Book] Krieg und Frieden2024
Author(s)
Clemens Bach, Esther Berner, Sebastian Engelmann, Viktoria Graebe, Toshiko Ito
Total Pages
246
Publisher
Klinkhardt
ISBN
3781526070
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