2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring discursive language practices and the role of translanguaging in Japanese university classrooms
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21K02277
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
糸井 貴夕 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (10869233)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トランスランゲージング / CLIL / EMI / 英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「英語での」授業内における大学生の(1)トランスランゲージングの使用状況、(2)ディスカッション等において学生同士が共通理解を成立させるためのトランスランゲージングの役割、(3)意味構築におけるトランスランゲージングの有用性、を調査し、効果的な授業方法の開発や提案を行うための方向性を見い出すことである。2021年度は、パイロット調査の結果の一部をOLBI journalに論文を投稿し、結果をもとに学生が日英両言語を同時に学ぶ言語教室内でのトランスランゲージングの使用、および学生のトランスランゲージングの使用に対する受け止め方について調査を行った。研究計画の段階では、学生のトランスランゲージングの使用及び捉え方に焦点を当てて調査する予定であったが、パイロット調査の結果、教員のトランスランゲージングの使用や捉え方も、学生のそれらに影響がある可能性が示唆されたため、教員へのインタビューも追加し、実施した。トランスランゲージングは教室内でのコミュニケーションにおいて観察されたが、学生はトランスランゲージングの使用がコミュニケーションにおいて有益であり、必要なものであると認識している一方、言語学習の観点からトランスランゲージングに対してジレンマを抱えていることも明らかになった。教員に関しては、多くの教員がトランスランゲージングの有用性を認識し、教室内でも積極的に促進している一方、言語学習においてはネガティブな影響をもたらすと信じている教員もいることが明らかになった。この研究については、2022年4月に行われるICLHE East Asiaの学会で結果を発表する予定である。また、2つ目の研究として、日本人学生と留学生が共に学ぶコースでの調査も行ったが、予定していた授業見学がコロナで授業がオンラインになったため難しく、インタビュー調査に変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目は、言語教室内でのトランスランゲージングの使用について主に調査する予定であったが、それとは異なる留学生と日本人が共に学習するコースを受講する学生たちにもインタビュー調査を行うことができた。したがって、当初の計画よりも少し進展して調査が進められていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においては、当初の計画よりも少し進んで研究を進めることができたため、2022年度には、一度これまでの調査結果を専門家にもアドバイスをいただきながら分析し、国際学会で研究成果を発表していく予定である。また、勤務校が変更になったため、2021年度の研究で得られた知見をもとに、さらに異なる学習環境でのトランスランゲージングの使用及び学生の捉え方について調査を進められるよう、調査が可能なコースや協力してくれる教員を探し、準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大のため、当初予定していたように国内外の学会参加を通し、当該分野に関する知見を広げることができなかった。その代わりに、文献調査をおこなったため。繰り越した経費は、2022年度の学会参加・発表の旅費および研究成果発表のための英文校正としての使用を予定している。
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Research Products
(1 results)