2021 Fiscal Year Research-status Report
教師・保育者のバーンアウト要因と克服策に関する開発研究
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21K02278
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Research Institution | Osaka Chiyoda Junior College |
Principal Investigator |
松浦 善満 大阪千代田短期大学, 幼児教育科, 教授 (40243365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 史郎 大阪千代田短期大学, 幼児教育科, 講師 (20832950)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育者と教師のバーンアウト / 保育者の感情労働論 / ライフヒストリー研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、保育者と教師のバーンアウトの実態並びにその要因に相違はないのか。kその共通性と相違について明らかにし、バーンアウト対応策のための開発研究にある。そのために、初年度は①教師と保育者、両者のバーンアウトをめぐる実態、並びに研究実績の相異について先行研究から分析・検討をすすめた。なかでも、従来から積み上げられてきたMaslach & Schaufeliによるストレス尺度と、A.M.Pinesの身体的精神的疲労尺度、並びに教職専門性研究における「教職の自律性」、「同僚性」に関する諸データを検討した。さらにバーンアウト研究の新たな視座に「保育における感情労働論」(諏訪きぬ編『保育における感情労働』2011)を組み込むことにより今後の調査研究の枠組みを再構成した。 ②日本生活指導学会(2021.9.19)において、若手研究者の報告「保育職志望の若者の早期離職経験に関する質的研究」に関する資料収集・分析を行った。共同研究者Iは大阪府寝屋川市において、また研究代表者Mは和歌山県(海南市)において、離職、並びに休職者が比較的少ない調査対象園を確保した。 ③コロナ禍により海外調査地点の設定・交渉は難行しているが、現在イタリア(ミラノ・レッジョ州)への現地調査の交渉中である。 以上1年次、分担者との共同研究を進めた。なお、幼児教育における保育者の挫折と成長に関して広岡キミヱ氏のライフヒストリー研究を「大阪千代田短期大学図書館だより」(2022・4発行予定)に執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年次の目標である①先行研究の整理と分析についてはほぼ当初の目的を達成した。今回、共同研究者を従来の学外分散型から学内集約型にすることにより、相互に研究過程が見通すことができた ②調査地点の設定についても、寝屋川市、並びに海南市の認定こども園との調査協力の了解を得ることができ、2年次研究への準備が進んだ。 ③海外調査研究に関しては、コロナ禍によりニュージランドが一時ロックダウンの状態であったので、急遽調査地点をイタリア(ミラノ・レッジョ州)に変更し連絡を取っている。したがって調査市及び調査対象園との交渉はできてていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次研究に向け ①1年次研究を踏まえ、フォーカスグループインタビュー(FGI)による調査設計を行う。調査仮説については従来の先行研究、並びに当方の研究実績に付け加え、「保育における感情労働論」の視点を導入する。そのため新たな調査枠組みを再構成する。(第2次仮説の策定) ②調査地点(海南市、寝屋川市)との打ち合わせを行い、調査日程、調査対象者を確定する。準備完了次第、FGI調査を実施する。調査結果の集約ならびに分析に入る。 ③海外調査(ミラノ市並びにレッジョエミリア市)に関して、現地交渉を速やかに行い、可能であれば当方、並びに共同研究者Iとの共同調査を実施する。なお現地のコロナ情報等、慎重に検討し海外渡航の可能性も含めて検討する。 ⑤全国保育士養成協議会全国セミナー(8月25・26日)、日本保育学会、日本学童保育学科、日本教師教育学会に参加する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、調査依頼者との面談、アドバイスに対する旅費、謝金等を支払うことなく実施することができた。 共同研究者が同一学内であるため共有するものが多く、消耗品費の使用も極力抑えることができ、次年度に持ち越すことができた。
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