2023 Fiscal Year Research-status Report
女子大学生の昇進意欲を高める大学での経験:キャリア教育立案に向けて
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21K02287
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
太田 さつき 静岡産業大学, 経営学部(藤枝), 教授 (70327279)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 管理職 / 女性 / 昇進意欲 / 大学生 / 大学生活 / キャリア教育 / 自己効力感 / 社会人基礎力 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学生活の中で女子大学生の昇進意欲が高まる経験や取り組み方と、それらがなぜ、どのように昇進意欲を高めるかについてアンケート調査を使って見出すことが本研究課題の最終的な目的である。2023年度は,大学生の昇進意欲をとらえる尺度を作成することを目的とした。働く女性を対象とした先行研究の多くは,希望の役職の選び方で昇進意欲を捉える。しかし,就業経験の限られた大学生にとって,役職の選択だけで昇進意欲を捉えるのは難しいと推測された。各役職のイメージだけで捉えてしまう可能性があるからである。昇進に対する希望の程度を尋ねることも,「昇進」のイメージだけで捉えてしまう可能性がある。イメージではなく,職位毎の役割や職務内容が昇進でどのように変化するかを捉え,それをどの程度希望するかを問うことが大学生の昇進意欲を捉える上で必要と考え,そのための尺度を作成した。 2022年度にホワイトカラーを対象としたアンケート調査を行い,役職によって担う程度の異なる役割や職務内容を抽出し,大学生用の質問項目の候補を作成した。2023年度の大学生対象の調査では,候補項目の大学生への適用可能性と,信頼性および妥当性を確認し,昇進意欲として使用する尺度作成を行った。 大学生1000名を対象にWEB調査を行い,候補項目の有効性について検討したところ,2つの尺度を昇進に対する志向性をとらえる尺度として適当と判断した。2つとも高い信頼性を示すとともに,併存的妥当性が認められたからである。昇進意欲とともに,サーバントリーダーシップ尺度も採用することにした。近年重要視されているリーダーシップであるため,管理職以上に昇進する者に必要と考えられるからである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度実施のホワイトカラー対象の調査によって役職差を確認できた項目を用いて,(1)大学生用の昇進意欲の尺度を作成後,(2)大学生活でのどのような経験がどのように昇進意欲と関係するのかという本研究の最終的な「問い」にこたえるための調査を行うことが2023年度の計画であった。(1)は実施できたものの,研究代表者が病気で研究を中断せざるを得なくなったため,(2)の調査を実施できなかった。ゆえに研究は計画通りに行えておらず,遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の回復後に研究を再開する。大学生活でのどのような経験がどのように昇進意欲と関係するのかという本研究の最終的な「問い」にこたえるための調査を実施し,女子大学生の昇進意欲を高める経験とその理由を明らかにする。 申請当初は,4年目の2024年度に研究の総括として,得られた成果の発表と公刊を行う予定であった。この4年目に行う予定であったことを,補助事業期間の延長を申請して5年目に行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者の病気により研究を中断せざるを得ず,2023年度に実施予定であった2回の調査のうち1回を実施できなかった。未実施1回分の調査を2024年度に行う。繰り越した金額を使用して調査を実施する。
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