2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K02289
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河崎 吉紀 同志社大学, 社会学部, 教授 (30388037)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学歴 / 学校歴 / 新聞記者 |
Outline of Annual Research Achievements |
メディア業界における学校歴の偏りを解明するため、『日本新聞年鑑』に所収の「新聞人名録」の分析を開始した。本年度は1950年版、1955年版、1960年版のデータ作成を行い、それぞれ約480人、1,400人、2,700人分の学歴、学校歴などを把握し整理する作業を進めている。これにより、これまで未解明であった1950年代のメディア業界人の学歴、学校歴の概要を明らかにすることができる。また、本年度は上記に加え、第二次世界大戦時において日本の新聞界で業務に従事した記者、編集者、営業担当などの人材についても、その学歴、学校歴を検討するため、1940年代のデータの整備を開始している。 一方、他業種への波及効果については、教育・メディア・政治の結びつきを具体的な事例を通して明らかにするため、千葉県選出議員の関和知をモデルに、その活動の一端を描写する試みを行った。1894年に創刊された『千葉民報』に記者として務めた彼は、その新聞が廃刊後、1896年、自ら『新総房』という雑誌を立ち上げる。そこでは改進党系の政論のみならず、当時の千葉県政の問題点をジャーナリズムとして追及し、周囲の長老、同志に認められていく。こうした政治的拠点としてのメディアに加え、彼が東京専門学校(現・早稲田大学)の出身であったことも、改進党、進歩党、憲政本党の人的ネットワークにおいて重要である。その効果は、実際、関和知が国政へ進出したのち、第二次大隈重信内閣のときに政治力として発揮された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『日本新聞年鑑』における1950年代のデータ整備が順調に進み、分析を開始しつつあることに加え、戦時下におけるデータ入力も順次行っており、少なくとも、1940年代、50年代におけるメディア業界の学歴、学校歴の全貌が解明できる目処がついた。また、こうした学歴や学校歴の効果が、メディアでの活動を踏み台に、政治経済などほかの社会システムへ波及していく事例をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは1940年代、戦時下における新聞記者の学歴、学校歴がどのようであったのか、データの整備を進める。また、1950年代については、占領終結後のメディア業界を把握するうえで、基礎的なデータの分析として学歴、学校歴の全容を解明するとともに、当時の社会的状況から、そのデータの解釈を進めていきたい。また、学校歴による人的ネットワークの社会的効果についても、引き続き、事例分析を中心に実施していく。
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