2023 Fiscal Year Research-status Report
フランスの大学における大衆化後の変容する教育観に関する総合的研究
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21K02295
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田川 千尋 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 特任講師(常勤) (10599434)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フランス / 大学 / 学生支援 / 社会格差 / 汎用的能力 / コンピテンシー / 初年次教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は①フランス人研究者とともに国際研究集会の実施(2度)および②現地調査を実施した。 ①については「高大接続の現在」とのタイトルで、フランス人より来日の3名の社会学者、2名の指定討論者とともに、2度(大阪および東京)国際研究集会を主催し、高大接続策および初年次教育の現状と問題点、また、これまでの学生研究と現在の状況について議論を行なった。 ②では特に困難地域とされる地域に焦点を当て、初年次における正課内中退予防策、正課外の支援授業の、地域と連携した大学内外での初年次学生への支援、これらに関わる教員インタビューを行うといった調査を実施した。また、コンピテンシー・アプローチについて文献調査および担当者インタビューを実施し、初年次教育、中退・進路変更希望者支援及び、広く学生の成功を進めるためにこれらの相互的位置付けについて明らかにした。これらの成果を日本教育社会学会、日本比較教育学会、大学教育学会の3学会の大会で、また、①とは別途、他科研と共催で国際研究会を実施し、大学と地域とが連携した学生支援策および現在の大学における学生支援としての汎用的能力の育成講座の分析報告を行なった。日仏合同研究会(前述の主催事業とは別)にてフランス語にて発表を行なった。 フランスの大学生研究の体系的な先行研究究の基盤作りに関しては大阪大学人間科学研究科教育制度研究室HPおよびresearchmap上で、日本語で読める文献リストを随時更新し、体系化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異動が重なり現地渡航調査が一回しかできなかったが、フランス人研究者との国際研究会事業は予定通り実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
学習支援策として位置付けられている汎用的能力育成講座の内容分析、中退予防策として新たに制度化された策を中心に調査を引き続き実施する。フランス人研究者との合同セミナーを実施し、これまでの成果の発信を行う。
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Causes of Carryover |
異動により十分な渡航時間が取れず未調査事項があるため。
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Research Products
(9 results)