2022 Fiscal Year Research-status Report
公教育をめぐるマスメディアのリアリティ構成に関する研究
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21K02307
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Research Institution | Suzuka Junior College |
Principal Investigator |
井上 剛男 鈴鹿大学短期大学部, こども学専攻 幼稚園教諭・保育士コース, 助教 (90807497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆雄 南山大学, 人文学部, 教授 (20247133)
酒井 真由子 上田女子短期大学, その他部局等, 教授 (30591193)
越智 康詞 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80242105)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | テレビ / 新型コロナウイルスパンデミック / 子どもや教育の報道 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は主に、①テレビによる子どもや教育に関する報道をデータベース化することを継続して行うこと、②これまでデータベース化した、子どもや教育に関するテレビ報道について分析し、子どもや教育に関するテレビの報じ方の特性を把握することの2つを行う計画を立てた。 まず、①に関しては、おおむね順調に進んでいる。NHKと民放4局の朝と夜のそれぞれのニュース番組・ワイドショーから子どもや教育に関する報道を抽出し、そのデータを収集するとともに、そのデータを整理することを昨年度から引き続き、行ってきた。その結果、現時点では、2021年の4月末から2023年の4月までの子どもや教育に関するテレビ報道をベータベース化することを終えている。次に、②に関しても、達成できたと考えている。テレビ報道に関するデータを用いて、新型コロナウイルス・パンデミックが子どもや教育に関するテレビでの報道量や報道内容にどのように変化をもたらしたかを分析し、その変容がもつ意味について考察した。学会発表では、コロナパンデミックが大流行する2020年度の前後の年度で、子どもや教育の報道の質や量にいかなる変化が生じていたかを分析し、その傾向について発表した。また、この分析結果をさらに検討し、2020年度の前後での報道量や報道内容の違いが示唆する変化の意味について多角的に考察し、論文として公表した。2021年度の子どもや教育に関するテレビ報道の件数が2019年度より減少していること、とりわけ子どもの事件・事故(児童虐待)に関する報道が急激に減少していることを明らかにした。ここから、子ども・教育問題が、新型コロナウイルス・パンデミックのような大きな社会問題がないときの埋め合わせで報じられる程度の社会問題になっている可能性を示唆することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年に修正した研究目標をほぼ達成できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、データベースにある、特定の教育・子ども政策に関するテレビ報道での報じ方を分析し、その政策をどう理解し、どう評価しているかを明らかにするとともに、そうした理解や評価に向かうようにどのように働きかけているかを明らかにしていく。その成果を論文として公表する計画である。
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Causes of Carryover |
1つは、対面での学会発表を計画していたが、遠隔での実施になったためである。もう1つは、先行研究の収集に十分に取り組めていないためである。今年度は、先行研究の収集や、学会での最新知見の収集に注力するとともに、データベースを編集したり分析したりするために有効なソフトの購入も検討している。
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Research Products
(2 results)