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2021 Fiscal Year Research-status Report

外国人の子どもの貧困と進路保障: ブラジル籍、フィリピン籍、ペルー籍を中心に

Research Project

Project/Area Number 21K02308
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

新藤 慶  群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (80455047)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安宅 仁人  小樽商科大学, 商学部, 教授 (20513675)
高島 裕美  名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (40751128)
野崎 剛毅  札幌国際大学短期大学部, 幼児教育保育学科, 准教授 (50412911)
濱田 国佑  駒澤大学, 文学部, 准教授 (50634523)
上山 浩次郎  北海道大学, 教育学研究院, 講師 (60751089)
品川 ひろみ  札幌国際大学, 人文学部, 教授 (80389650)
新藤 こずえ  上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (90433391)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords外国につながる子ども / 日本語能力 / 教育達成 / 在留資格 / 在留外国人統計
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、公式統計やこれまでの調査で得られたデータの分析などに取り組んだ。ここで明らかになったのは、以下の諸点である。
第1に、文科省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」と、法務省の在留外国人統計、さらにこれまでの先行研究を組み合わせることで、国籍によって子どもの状況に一定のパターンがみられることを明らかにした。具体的には、ブラジル籍やフィリピン籍は、日本語指導が必要な子どもが4~5割に達すると推計され、結果として教育達成が低い一方で、中国籍や韓国・朝鮮籍では、日本語指導が必要な子どもは全体の3割弱から数%となっており、教育達成も高くなっていることが確認された。
また第2に、こうした国籍によるパターンの違いは、子どもたちの在留資格の違いとして把握することができた。全般的に「永住者」(韓国・朝鮮籍については「特別永住者」)が
多いが、ブラジル籍・フィリピン籍は「定住者」が多い一方、中国籍では「家族滞在」が多くなっていた。家族滞在の資格を持つ子どもは、多くの場合、親が、家族の帯同が許される在留資格を持っているということなるが、こうした家族帯同が認められる資格は、「技術・人文知識・国際業務」などのホワイトカラー職など、相対的には高い階層であると捉えられる。こうしたホワイトカラーの親は、留学生として日本の大学・大学院で学んでいることも多く、その点で、高学歴で、高い日本語能力を有している可能性が高い。そうした高い文化資本が、家族滞在の在留資格を持つ子どもたちに受け継がれ、相対的に日本語能力も高く、上位の教育達成を遂げやすいものと捉えられる。
一方、定住者については、ブラジル籍では日系人、フィリピン籍では、母親の日本人男性との再婚などで日本に連れて来られた場合に付与されることが多い。こうした子どもたちは、日本での学業において不利な条件を抱えているものと捉えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新型コロナウイルスの感染拡大がみられたため、予定していた調査が行えなかった。ただし、その分、これまでの調査データの再整理や、公式統計などをもとにした分析は進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

2021年度に行ったこれまでの調査データの再分析や、公式統計などをもとにした分析の結果をふまえ、2021年度に実施予定であった群馬県を対象とした調査を進めていく。その際、新型コロナウイルスの感染拡大につながらないよう、必要に応じてオンライン方式も導入するなどして、調査を進めていく。また、定期的に研究会を実施することで、各自の成果や進捗状況の確認、今後の研究課題などについて、メンバー間で情報共有を進めていくよう心がける。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染拡大のため、予定していた調査が実施できなかったことによる。2022年度は、2021年度に実施予定であった群馬県での調査を実施することで、次年度使用額を使っていく。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 3 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 外国につながる子どもの日本語指導の必要性と教育達成の関連 : 文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」の検討を中心に2022

    • Author(s)
      新藤慶
    • Journal Title

      群馬大学共同教育学部紀要 人文・社会科学編

      Volume: 71 Pages: 121-135

    • Open Access
  • [Journal Article] 日本語指導の必要性と外国人の子どもの在留資格:法務省「在留外国人統計」からみる外国人の子ども2022

    • Author(s)
      新藤慶
    • Journal Title

      群馬大学教育実践研究

      Volume: 39 Pages: 159-169

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 多文化共生社会の構築と学校の機能 : 在日ブラジル人とアイヌ民族の状況を中心に2021

    • Author(s)
      新藤慶
    • Journal Title

      北海道大学大学院教育学研究院紀要

      Volume: 138 Pages: 77-96

    • DOI

      10.14943/b.edu.138.77

    • Open Access
  • [Presentation] 在留外国人の子どもの教育からみた多文化共生社会:在日ブラジル人の子どもを中心に2021

    • Author(s)
      新藤慶
    • Organizer
      第69回北海道社会学会大会
    • Invited
  • [Book] 国文学科主催シンポジウム記録2020 自己を物語る―文学の中の社会、社会の中の文学をライフストー リーから考える―,国文学科主催シンポジウム記録2021 他者と語り合う―在住外国人の日本語から考え る―2022

    • Author(s)
      群馬県立女子大学文学部国文学科編(好井裕明・安保博史・宮内洋・川口直巳・新藤慶)
    • Total Pages
      78
    • Publisher
      群馬県立女子大学文学部国文学科
  • [Book] 外国につながり子どもの学びを支える教育・保育機関と家庭の連携の実態と展望: 群馬県大泉町を対象と して2022

    • Author(s)
      新藤慶編(新藤慶・野崎剛毅・品川ひろみ・上山浩次郎・濱田国佑・小野寺理佳)
    • Total Pages
      139
    • Publisher
      群馬大学共同教育学部学校教育講座新藤研究室

URL: 

Published: 2022-12-28  

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