2021 Fiscal Year Research-status Report
学校での重大事故に遭遇した養護教諭への総合的支援プラットフォームの構築
Project/Area Number |
21K02314
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大野 志保 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (00802331)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 事故の経験 / 学校 / 重大事故 / 心理的負担 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学校での重大事故に遭遇した養護教諭の経験と学校での重大事故発生時における養護教諭が必要とする支援内容を把握することにより、学校での重大事故に遭遇した養護教諭に対する総合的支援プラットフォームの構築を目指すことである。まず、研究1として、児童生徒の死亡事故や生命の危機にかかわる重大事故及び障害を残すような事故を経験した養護教諭へのインタビュー調査を通して、事故発生時及びその後に果たした役割と事故後の自身のストレス反応の実際とその対処方法、および必要と感じたサポートを明らかにする。次に、研究2として、現職養護教諭へのグループインタビューを通して、学校における事故発生時、特に重大事故発生時において、子どもたちの支援者である養護教諭が役割遂行のために必要な支援内容を明らかにする。研究1、2の結果から学校での重大事故に遭遇した養護教諭への総合的支援プラットフォーム構築のために必要な具体的方法を検討する。 学校に配置されている養護教諭は、保健室を中心として教育活動を展開し、学級担任とは異なる専門性に基づき、心身の健康に課題を持つ児童生徒等へ対応を行っている。どの学校にも存在する保健室は、その固有の空間に養護教諭がいるからこそ子どもたちが安心できる場所となる。それゆえに、養護教諭がいつ、どんな時でも不安なく安定して役割を遂行できる備えがあることは子どもたちにとっての安心につながると言える。このことからも本研究の果たす役割は大きいと考える。 2021年度は、国内外における文献から、学校での重大事故の発生状況や学校危機に関する知見を収集した。また、日本学校保健学会に参加し、社会学のリスク論から、リスクは社会的に構築されるという視点や事故は認知に左右されることなど、学校事故の特殊性について最新の知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度にインタビュー調査を予定していた研究協力者について、COVID-19の感染拡大や協力者の都合により予定していた時期に調査を行うことができなかった。本研究を遂行するためには、本研究協力者へのインタビューは不可欠である。そのため、インタビュー調査の実施時期を延期したため遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
延期していた研究協力者へのインタビュー調査を行い、インタビューデータの分析を進めていくとともに、インタビュー調査の実施が困難な場合には調査方法を再検討する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19により参加予定をしていた学会がオンライン開催に変更(出張旅費)となったことや、COVID-19の感染拡大と研究協力者の都合により、インタビュー調査(調査旅費・データ入力費等)が計画通りに進まなかったため次年度使用額が生じる状況となった。
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