2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K02316
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 茂樹 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (70251569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 弘子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (70234995)
岩田 一正 成城大学, 文芸学部, 教授 (70338573)
仲野 由佳理 日本大学, 文理学部, 研究員 (90764829)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 市民性教育 / 刑務所 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目である2022年度には以下のような研究を行った。 第1に、刑事施設におけるアカデミック教育及び市民性教育の現状と課題についての理論的検討と、これらに関する先行研究や実践について、主に文献資料による調査を継続した。これらをもとに、3年目(2023年度)に予定しているアメリカ合衆国における実地調査の調査地、実施方法について引き続き検討した。新型コロナウイルス感染症の流行の収束の可能性が見えてきたが、選定と準備、現地の受け入れの状況によっては、研究期間を1年延長して実地調査を行うことも検討している。 第2に、日本の刑事施設におけるアカデミック教育の歴史及び現状について、引き続き探索を行った。先駆的な事例として知られる松本少年刑務所以外でも優れた教育的実践は古くから行われているため、これらを発掘し、伝承することも視野に入れ検討している。 第3に、若年層の受刑者のアカデミック教育についての需要についての調査に関して、刑事施設や少年院への収容を経験した者への聞き取り調査を2023年度に予定しているが、探索的な予備調査を行うとともに、対象者や調査内容についての検討を継続して行った。 さらに、2025年からの導入が決まった拘禁刑により、受刑者への処遇が変わることが予想されるが、そこで行われる処遇はどのような教育的な意義、効果を持ち得るか、さらにそれはどうあるべきかについて、欧米の事例や理論をふまえ、検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行により、聞き取りをはじめ関係者と対面で接触する必要のある調査やその準備にはやや遅れが生じている。流行の収束が見えてきたため、2023年度には国内外での実地調査に本格的に着手するが、進捗状況によっては研究期間の延長も検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目(2023年度)以降は、1.刑事施設の受刑者に対するアカデミック教育及び市民性教育についての理論的検討、2.刑務所を出所あるいは少年院を出院した若年成人に対する、教育のニーズと学習行動についての実態調査、3.刑務所での教育についての歴史及び実態調査、4.刑務所での中等後教育、高等教育についての海外の実態調査、5.矯正施設を中心とする多機関連携の方向性についての検討というそれぞれの課題について研究を進めるが、特に2.~4.の実態調査、実地調査に重点を置く。進捗状況が遅れがちであるので、研究期間の延長の可能性も視野に入れる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行の継続により国内での実地調査が行えなかったため、調査にかかる旅費の支出がなかったほか、物品費、人件費の使用も少額となった。次年度以降に繰り越し、使用する予定である。
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Research Products
(6 results)