2021 Fiscal Year Research-status Report
メキシコにおける教師の質保証政策-職能成長を支える理念と評価制度の分析研究-
Project/Area Number |
21K02317
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鈴木 賀映子 帝京大学, 教育学部, 准教授 (60618221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教員評価 / 教師教育 / メキシコ合衆国 |
Outline of Annual Research Achievements |
教師の質保証は、諸外国共通の最重要課題となっており、各国で教師の質保証政策が導入されている。本研究では、メキシコ合衆国(Los Estados Unidos Mexicanos以降メキシコ)における教師の質保証政策に焦点をあて、その理念と職能成長を支える教員評価制度の在り方を分析する。ラテンアメリカ地域では、教育の質の向上が喫緊の課題となっており、さらにメキシコでは、国内に広がる貧困と教育格差に加えて教師の力量不足や無資格教員の存在、強力な教職員組合等の教師の資質に起因する要因が教育効果を阻害する要因とされてきた。そこで、本研究ではメキシコにおける(1)教師の養成・採用・研修、そして評価の制度を整理し、(2)教員研修の実態と評価制度の政策理念と実効性を詳査し、(3)教師の質保証政策における教員評価制度の位置づけと有用性を提示することを目的として研究を進めてきた。 2021年度は、メキシコにおける教師の養成・採用・研修、そして評価の制度を整理することを目的として、メキシコ国内の政治的な背景と教員評価の位置づけについて整理することを目的として研究を進めてきた。またメキシコ特有の教員評価制度の全体像の把握に努め、評価と研修の連動について文献研究を進めた。その結果を、教員評価の国際比較としてメキシコの事例を紹介するなどの機会を設けた。また、継続的に教員評価の研究会を実施して2022年度の学会発表および研究投稿論文の作成に向けて準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教員評価に関する研究会を継続的に開催し数名の研究者の知見を複合的に得ながら調査を進めているが、活字論文などの成果としてまとめることはできていない。事例発表の場などは得ることができているため引き続き、成果発表の場を積極的に設けたい。また、コロナ禍の混乱や休校、配属の変更などにより現地の教育委員会、校長、教員とのコンタクトが取れておらず、オンラインによる遠隔調査の進行に遅れがみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、教員評価に関する研究会を継続的に開催し積極的に研究成果の発表の場を設ける。具体的には、日本比較教育学会、アジア比較教育学会など国内外での成果発表を行っていきたい。また、オンラインによる遠隔調査の進行を進めるためにも現地教員の繋がりなどを辿りながら、調査実施に向けて準備を行う。もし可能であれば、現地へ赴き調査研究を実施したいと考えているため、そのための訪問先の選定や対応窓口への連絡など調整を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における現地学校の休校状況や教育委員会、公教育省などの稼働状況が思わしくなく、当初予定していたオンラインでの遠隔調査などの進捗が遅れているため謝礼やそれに伴う準備費などの支出が少なかったため。また、資料翻訳などに充てることを予定していた経費は、自分で翻訳作業を行ったために使用しなかったため、助成金に余剰が発生した。
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