2021 Fiscal Year Research-status Report
高い敏感性をもつ子ども(HSC)の表情認知に関わる神経基盤の解明
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21K02330
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
仲渡 江美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (30509211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 恵 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 研究員 (70781227)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 表情認知 / 高い敏感性をもつ子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高い敏感性をもつ子ども(Highly Sensitive Children:HSC)を対象に,他者との関わりの中で生活する際に重要な社会的機能である表情認知における脳活動を,近赤外分光法(Near Infrared Spectroscopy:NIRS)を用いて計測し,表情認知と脳内の前頭前野の活動との関連性,およびHSCの認知的な発達メカニズムを解明することが目的である. 本年度は,まず実験で用いる刺激の選定を行った.当初の計画では,幼児・児童のモデルの表情顔の写真を撮影し,それらを用いる予定であったが,新型コロナウイルス感染拡大によりモデルの確保が困難となった.そのため,日本人の成人男女の表情顔データベースを構築している産業技術総合研究所に表情顔データベースの使用を申請した.申請が認められ日本人の成人モデルによる表情顔の使用許可を得た.データベース上にある表情顔の中から実験に使用するための表情顔の選定を行い,幼児・児童にとって馴染みのある幸福顔,怒り顔,中立顔の3種類顔を用いることにした.さらに画像処理ソフト(Adobe Photoshop)を用い背景の輝度や画像の大きさなどを統一し実験刺激用に加工した.その後,刺激提示や実験参加者の反応を得るためのプログラムを構築し,幼児・児童における表情認知に関する行動実験の予備実験を実施した.新型コロナウィルスの感染拡大が続く中,実験参加者の募集や実験実施に影響が及ぼされたが,予備的なデータを得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け,当初の予定であった幼児・児童の表情顔の撮影が困難になったが,代わりに表情顔データベースを用いて実験用の刺激を完成させた.また予備実験を実施し,次年度実施予定の本実験のための有益な情報を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染状況の改善が見られれば,即座に実験参加者の募集を行い,学校の長期休暇中に本実験を開始する.本実験の結果が得られたら成果を発表する準備に取りかかる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により,幼児・児童における表情顔撮影が困難であったため,撮影用機材および謝金の支払い分が余剰した.さらに,緊急事態宣言の発出の影響を受け,学会参加や打ち合わせ等に係る旅費の支出もなかった.
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