2023 Fiscal Year Research-status Report
高い敏感性をもつ子ども(HSC)の表情認知に関わる神経基盤の解明
Project/Area Number |
21K02330
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
仲渡 江美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (30509211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 恵 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70781227)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 表情認知 / 高い敏感性をもつ子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
周囲の小さな刺激を敏感に感じ取る高い感受性を持つために,日常生活で困難を抱えがちな子どもたちがいる.高い敏感性をもつ子ども(Highly Sensitive Children:HSC)とは,社会的な刺激や環境に対する高い感受性を生得的な特性として持つ子どもたちを称し,人口の20%に該当するといわれている.本研究では,HSCを対象に他者との関わりの中で生活する際に重要な社会的機能である表情認知における脳活動を,近赤外分光法(Near Infrared Spectroscopy:NIRS)を用いて計測し,表情認知と脳内の前頭前野の活動との関連性,およびHSCの認知的な発達メカニズムを解明することが目的である. 本年度は前年度に実施した幼児・児童を対象にした表情顔の合成顔効果による行動実験のデータ分析を行った.実験参加者の年齢群にバラツキがみられたため,年齢群を3つのグループ(幼児,低学年児童,高学年児童)に分けそれぞれ分析した結果,発達傾向が示されなかった.つまりポジティブ表情とネガティブ表情の読み取りに影響を及ぼす要因が明らかにされなかった.各グループの実験参加者数が少ないことや,実験参加者の対象年齢を再検討する必要性が考えられたため,今後幅広い年齢層の実験参加者を増やし実験を継続する予定である. またNIRS装置の使用の手配が可能となったため,NIRSを用いた実験計画ならびに実験プログラムの開発にも着手した.さらに小児用のセンサーキャップの開発・制作のため制作業者と綿密な打ち合わせを行い,センサーキャップの試作が完成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NIRS装置の使用の手配が整い小児用のセンサーキャップの試作が完成したことから,NIRS実験を早急に進めるための見通しが立った.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き実験参加者を募集し,さらに幅広い年齢群を対象に行動実験を遂行する.それと並行してNIRS実験にも早急に着手する.
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Causes of Carryover |
本年度は行動実験のデータ分析を主に実施したことから,実験参加者への謝金や実験補助者の雇用に対する支払い金,また学会参加や打ち合わせ等に係る旅費の支出が当初の計画と比べ少なかった. 余剰金に関しては,NIRSの小児用センサーキャップ,ならびにNIRS実験用コンピューターの新規購入に使用する.
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