2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K02333
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
亀崎 美沙子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (60459592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 奈津子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00440644)
鶴 宏史 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80411932)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 倫理的ジレンマ / NAEYC / 倫理的意思決定 / 保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、保育において「子どもの最善の利益」を保障するために、国内外の倫理的ジレンマの収集・分析を行い、保育における倫理的意思決定モデルを構築することである。2023年度は、①日本における保育者の倫理的ジレンマに関する調査研究、②NAEYC倫理綱領およびガイドブックの翻訳に取り組んだ。 ②で取り組んだNAEYC倫理綱領およびガイドブックの翻訳をもとに、インタビュー調査データを分析した結果、日本における「保育者がとらえる倫理的ジレンマ」には、「法的問題」「倫理的責任の問題」、さらには「困り感」が含まれていたが、「倫理的ジレンマ」に該当する事例は見られなかった。また、わが国の保育者がとらえた「倫理的ジレンマ」は全体の6割を占め、それらは同僚が引き起こす「倫理的責任の問題」に関するものであることが明らかとなった。 本研究成果を活用することで、日本の保育者が直面する倫理的課題に対する対応策の検討が可能となった。そこで、2024年度には、NAEYC倫理綱領およびガイドブックの和約を活用しつつ、その成果を保育者が実践に活用できるガイドブックを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染状況を踏まえて国外調査を見送り、研究計画を一部変更し、アンケート調査を追加した。それに伴い、ガイドブックの作成にさらなる時間を要することとなったため、「やや遅れている」となった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染状況を踏まえて国外調査を見送り、研究計画を一部変更し、新たな国内調査の実施を行うことになったため、研究期間を延長することとなった。 2024度は、アメリカの倫理的ジレンマおよび国内インタビュー調査の結果をもとに、わが国の保育者が倫理的課題に取り組む際に活用可能なガイドブックの作成を行う予定である。 このガイドブックでは、これまでに和訳を行ったNAEYC倫理綱領およびNAEYC倫理綱領ガイドブックの内容を、わが国の倫理的課題にかかわる事例分析の分析枠組みとして活用する。
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Causes of Carryover |
コロナにより海外調査を断念し、国内調査および追加調査を実施することとなったため、次年度使用額が生じた。研究計画の変更に伴い、研究期間を1年間延長するとともに、研究成果を広く公表するための印刷費に充当する予定である。
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Remarks |
「専門職倫理を活用するメリット」『保育界(2023.7)』日本保育協会/「子どもの権利」と保育者の倫理的責任」『保育界(2023.9)』日本保育協会/「子育て支援と保護者に対する倫理的責任」『保育界(2023.11)』日本保育協会/「専門職倫理を実践に活用する」『保育界(2024.1)』,日本保育協会/「専門職倫理にもとづく「適切な行為」と「不適切な行為」」『保育界(2024.3)』日本保育協会
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