2022 Fiscal Year Research-status Report
Support for foster child transfers from institutions to foster parents: development of team care program overcoming foster care discordance
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21K02346
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Research Institution | Ibaraki Women's Junior College |
Principal Investigator |
安藤 みゆき 茨城女子短期大学, その他部局等, 教授 (90612797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 修三 仙台青葉学院短期大学, こども学科, 准教授(移行) (50888683)
中島 美那子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (60571289)
細川 梢 福島学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00910168)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 里親不調 / 措置変更 / チーム養育 / 心理的安全性 / 地域包括的かつ多機関連携チーム / フォスタリング機関 / 里親会 |
Outline of Annual Research Achievements |
里親不調を乗り越えるチーム養育プログラムの開発が本研究の目的であるが、2022年度は、以下の2つの項目を中心に研究を進めた。 1.ノーバディーズ・パーフェクト、リフレクティング・チーム・アプローチの手法を取り入れたプログラムを、2021年に引き続き、4回連続コースで実施した。里親とフォスタリング機関の職員が対等の立場でチームの一員として学び合う本プログラムの試行から、多くの示唆が得られた。里親と支援者が一緒に安心とつながりを作りだし、発達障害や被虐待経験に起因する子どもの養育困難に関して作戦会議を行い、里親不調を乗り越えるというチームの在り方の可能性を見出すことができた。 2.チーム養育実現のための方途を探ることを目的として、茨城県内の里親家庭を対象としたアンケート(68部の回答、回収率45.9%)の分析を2021年に引き続き行い、2022年度はさらに報告書の作成に取り組んだ。「どのようにすれば、チーム養育が実現できると考えるか」を尋ねた問いに対して、「親はちゃんとした親でなくてはいけないと良い親を求められている雰囲気があると、自分の弱さをさらけることができず、問題を起こしかねない。親の弱いところをサポートしてもらえると感じられる関係機関であれば、親も自ら協力依頼を求めやすくなるのではないでしょうか」といった自由記述の回答があり、里親は、養育チームにおいて心理的安全性を求めていると思われた。 また、心理教育的な支援が必要な子どもを委託されるケースが増えてきていることから、里親は、地域や里親会やフォスタリング機関との繋がりはもちろん、医療、教育といった専門機関との繋がりも求めており、地域包括的かつ継続的な多機関連携のチーム構築が必要であることも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大の影響により、予定していた研修プログラムが中止になってしまうこともあった。また、フォスタリング機関職員、里親、里子に「チーム養育」に関するインタビュ―を実施することが難しい状況でもあった。
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Strategy for Future Research Activity |
チーム養育実現のためのツールとして「チーム養育ノート」の作成と試行に取り組みたいと考えている。フォスタリング機関の職員有志と「チーム養育ノート作成委員会」を立ち上げ、子どもを中心に大人たちが集い合い、子どもの成長に合わせて、チームが発展、継続できるようなシステムを支える一助となることを目指す。 次に、委託される子ども一人ひとりのニーズに適ったきめ細やかな個別研修プログラムの試行である。この個別研修は里親と支援者が一緒に安心とつながりを作りだし、養育チームで学びあうチーム養育プログラムの開発につながると考える。 最後に、里親不調を乗り越えるためにチーム養育を実現することのできた事例をインタビューで集め、チーム養育を具体的にイメージし、実現できるようにするための事例集を作成する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大に伴い、学会がオンラインで開催されることが多く旅費の支出が少なかった。またコロナ禍の影響でインタビューの機会を作ることも難しかったことなどにより、次年度使用が生じた。2023年度は、チーム養育ノートや事例集の印刷費、インタビューの旅費などに使用する計画である。
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Research Products
(7 results)