2021 Fiscal Year Research-status Report
地域における健全育成の環境づくりに対する移動児童館活動の効果に関する研究
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21K02366
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
荒川 大靖 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 助手 (20804347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 恵司 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (00631235)
山口 智 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 講師 (90734161)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 移動児童館の実施状況 / 改正児童館ガイドラインの理解度 / 量的調査 / アウトリーチ活動 / 児童健全育成ニーズへの児童館の対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は「児童館が行う移動児童館等のアウトリーチ活動に関する基礎調査」として郵送式質問紙調査を実施した。本調査名の「移動児童館等のアウトリーチ活動」の定義については、児童館ガイドラインにおいて定められている「地域の児童遊園や公園、子どもが利用できる施設等を活用したり、児童館がない地域に出向いたりして、遊びや児童館で行う文化的活動等の体験の機会を提供」と位置づけた。 倫理的配慮としては、新潟医療福祉大学倫理委員会での承認(承認日:2021年7月20日、承認番号:18682-210720)を受けて実施した。 調査項目は、移動児童館等活動の実施状況や考えられる成果を踏まえ、把握することができた児童健全育成に関するニーズの有無とその解決に向けた取り組みについて量的な把握を図った。調査対象は、全国の児童厚生施設のうち子どもネクスト(一般財団法人児童健全育成推進財団管理の児童館情報WEBサイト)上に住所記載のある「小型児童館」「児童センター」「大型児童館」の4351か所とし、2021年12月1日~3月4日までの期間で回答を依頼した。 回答状況は、有効回答数1088件、回答率25.0%であった。全国的に廃館や別施設への転用がみられ、調査期間が年度末ということも重なり有効回答数の伸び悩みがみられた。回答内容に関する単純集計結果は以下のとおりである。 平成30年改正児童館ガイドラインにおいて、移動児童館に関する定義が新設されたことについては、全体の75.0%が知っているとした一方で、平成30年度~令和2年度の3年間において移動児童館等の活動を行った児童館は33.9%に留まっている。その要因としては児童館設置率との関係性が深い点や人材や財源不足といった運営上の課題が明らかになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度においては、量的調査にあたっての倫理審査手続きに続き、調査対象の施設に関する情報把握から着手した。質問紙の作成及び送付にあたっては、研究分担者からの協力も得て、2021年内に発送することができた。 量的調査については、回収率1割~2割程度が定説といわれているなか、約4割の回答があり、基礎データとして十分な量の回答を得ることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度については、現在得られている1088施設分の基礎データについて、分析的視点からクロス集計等の処理を行い、施設情報シートに回答のある施設の開館時間や児童厚生員の配置状況等との相関性の有無を検討したい。 また、質的内容の検討として、移動児童館等のアウトリーチ活動の具体的実施内容や把握できたニーズに対する対応状況等自由記述の内容について精査する。 これらを通して、2023年度以降に質的調査に訪問することを前提とした準備を進める。
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Causes of Carryover |
研究分担者の研究分担費について、2021年度残額が発生した。2022年度においても引き続き本研究に対する科学的助言等サポートをもらう観点から、全体の配分金額が減少する2022年度においても、研究分担分の助成金の確保が必要となるためである。 特に、長引くコロナ感染症の影響で、本来対面で協力をもらう予定であった、量的調査結果の分析について、遠隔地の大学から専門的知見でサポートをもらうための環境維持に要する費用に支出予定である。
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