2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K02379
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四津 有人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30647368)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 二足直立 / 歩行 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの二足直立歩行は,基礎科学的にも臨床医学的にも重要なテーマであるが,二足直立の獲得過程に関する運動力学的研究や適応の研究はない.力学的パラメータのない,動作だけの解析や理学所見の解析は古くからあるが,床反力計や圧分布などの力学的パラメータを含めた研究は,多くはなかった.申請者は,発達期の力学的研究として,四つ這いの動的接地力を初めて報告した(Yozu A, Gait Posture 2013).その後,寝返りの力学的研究も行い,多様な寝返りのパターンを記述した.これらの研究を発展させ,様々な運動パターンの力学的メカニズムを明らかにする.これにより,臨床医学的には,立ち上がったり,歩くことが困難な疾患や障害を抱える患者のためのリハビリテーションの開発につながる.例えば具体的には,有益な運動プログラムの開発に繋がる.力学的な根拠に基づき,運動の方向や量を決定できる.また,有益な義肢・装具の開発などにつながる.力学的な根拠に基づき,素材の選定や,パーツの形状を決定できる.従来より,義肢・装具の重さは問題とされてきているが,安定化の為に必要な重さと,運動阻害のための重さの選別などを行える.また,神経科学や人類学・進化学的などの基礎科学的には,ヒトの二足直立の運動モードとしての効率を明らかにすることにより,発達や進化のメカニズムの理解につながる.研究開始はコロナ禍であり,ヒトを対象とする計測は困難を極めている.とくに小児の研究はもともと計測に手間と人員が必要であり,密になりやすく,困難を極めている.代替として,感染対策を十分にとりながら成人の計測を進めてきている.また,代替として動物の計測も検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍でヒトを対象とした実験に困難がある.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で小児を研究できない場合はヒト成人や動物での研究をおこなう.
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Causes of Carryover |
コロナ禍でヒトの実験が困難であった.また,コロナ禍により旅費の支出が困難であった.
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