2023 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた神経ネットワークによるADHDのサブタイプ診断の開発
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21K02380
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
水野 賀史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (50756814)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 注意欠如多動症(ADHD) / 教師なし機械学習 / サブタイプ / ABCD Study |
Outline of Annual Research Achievements |
米国における、約12000名が参加する大規模な縦断的多施設共同研究ABCD (Adolescent Brain Cognitive Development) Studyのデータベースを活用して、教師な し機械学習によるADHDのサブタイプ研究に取り組んだ。 データをクリーニングし、ADHD群656名、nonADHD群6601名を抽出した。ADHD群に対して、認知機能検査のデータに基づいて階層的クラスタリングを行い、3つの クラスターに分類した。3つのクラスターは全体的な認知機能が高いAタイプ(254例)、処理速度が特に低いBタイプ(212例)、処理速度以外全体的に認知機能が低いCタイプ(190例)に分類された。さらに、各ADHDサブタイプとnonADHD群とで脳構造容積を比較したところ、ADHDのCタイプのみ、右外側眼窩前頭皮質、左下側頭回において脳容積の減少を認めた一方で、ADHDのAタイプとBタイプには有意差を認めなかった。この成果をまとめ、現在論文を投稿中である。
また、同様にABCD Studyのデータを活用し、妊娠中の大麻使用が児の認知及び脳発達のプロセスに与える影響について検討した。その結果、妊娠中の大麻暴露群は、非暴露群に比べて、視知覚に関わる認知機能と頭蓋内容積の変化が小さいことが明らかとなった。この研究成果は2023年 に国際科学雑誌Developmental Cognitive Neuroscienceに掲載された。
さらに、現在、睡眠クロノタイプと脳構造の関連、スクリーンタイムと脳構造の関連についても成果をまとめ、論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ABCD Studyのデータを活用し、2023年は1本の学術論文を出版し、現在合計3本の論文を投稿している。その中でも、ADHDのサブタイプ研究については、revisionの段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度中に、投稿中の論文について発表をする。
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Causes of Carryover |
該当する論文は現在投稿中であるため、次年度使用額が生じた。採択された際には、主に論文出版料に対して使用する予定である。
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Research Products
(18 results)