2021 Fiscal Year Research-status Report
高次視覚野発達による自閉症のサブグループ化と認知行動特性・初期兆候の探索
Project/Area Number |
21K02390
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡本 悠子 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (10635139)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大須 理英子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60374112)
小坂 浩隆 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70401966)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 自閉スペクトラム症 / 高次視覚野 / 個人差 / 身体表象 / fMRI / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)はコミュニケーションの苦手さを特徴とする神経発達症で、特徴的な感覚運動特性を持つ。これまでの研究から高次視覚野の機能の違いが、身体視覚処理や模倣認知の苦手さと関連することがわかっている。本課題は、ASD児を対象に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて計測した高次視覚野機能からサブグループを同定し、各サブグループの現在の特性と生育歴を評価することで高次視覚野機能発達の個人差と関連する要因を探索することを目的としている。
2021年度は、予備的に行ったfMRI実験のデータ解析を行い、大規模データ取得に向けたfMRI課題作成と質問紙の選定を行った。さらに、「若手B自閉スペクトラム症の運動障害と社会性障害に共通の脳内メカニズムは存在するか?」で行ったfMRI実験から、身体部位を見たときの高次視覚野の活動について、ASD者と定型発達(TD)者の差は学童期の児童生徒で顕著であることを確認できた。この結果は、次年度行うfMRI実験でASD児を対象に行うこと妥当であることを示すものである。また、共同研究者との議論から、物体に対する選好や文化差も高次視覚野発達に寄与する可能性も指摘され、物体に対する選好を指標化し、実験に組み込む準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、出張と対面を伴うfMRI実験が制限されたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度で議論となった点について課題の修正を行い、コロナ禍で延期になったfMRIでのデータ取得を開始する。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で対面・出張を伴うfMRI実験が延期となったため。
|