2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of vision loss in children -Search for myopia suppression method-
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21K02392
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石井 雅子 新潟医療福祉大学, 社会連携推進機構, 教授 (80532415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米嶋 美智子 志學館大学, 人間関係学部, 准教授 (10780158)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近視 / 子ども / デジタルデバイス / スマートフォン / スクリーンタイム / 視力低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 就学前視覚健診での屈折検査のデータおよび3歳から5歳までの子どもの屈折のパラメーターの変化量を解析し、就学前に近視化が始まる子どもがいることを明らかにした。 2. 生活習慣、特にデジタルデバイスの使用時間が視力不良と関連している可能性が示唆された。子どものデジタルデバイスの使用時間に地域差が大きいことがわかった。近視抑制には子どもの視的環境を整えるための生活環境の改善、近視の正しい知識、毎年の視覚健診が必要性である。それらを子どもを取り巻く大人に理解してもらう目的としての「眼の健康リテラシー教育」が重要であると考えられた。 3. 健診での子どもの段階視力(A、B、C、D)と屈折値とは必ずしも一致していなかった。視力A(小数視力1.0)であっても近視を示す子どもが散見されたことから、健診で使用する屈折検査器(スポットビジョンスクリーナー)のデータの再現性を検証するために複数回の測定を実施しなければならないことがわかった。そのため自然瞳孔下での屈折データのみで近視化を評価することが困難であると考えられた。 4. 大学生を大学生を被検者としてスマートフォンでの動画視聴時の視線計測から輻湊距離を計算することで、動画の種類によっては、近接で過度の輻湊が誘発された被検者が存在した。過度の輻湊に伴って過度の水晶体の調節が発生することで、調節努力を長時間継続することとなり、近視が進むことが予想された。調節努力を不要とするデバイスの開発の検討が必要であると考えられた。 5.幼少期の近視の発生、進行は病的近視に移行しやすく、後の視覚障害の誘因となるため、保育園等で近視抑制の啓発運動に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画された研究課題について、眼緊張度の測定(動画視聴時の視線解析実験)が新型コロナウイルス感染症の影響により被検者の募集が困難であったため全体としてやや遅れている。 そのため学会発表および論文発表も遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
近視化の複合的要因の分析のためのデータ収集と解析を積極的に進め、学会発表済みデータの論文化を急ぎたい。さらに近視抑制についての正しい知識の普及のためのリーフレットの作成など社会に貢献できる活動を推進したい。
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Causes of Carryover |
学会発表、論文化のために準備した予算の一部が使用されずに次年度に繰り越された。 新型コロナウイルス感染症の影響で一部の実験の被検者を集めることが困難となり、研究データの収集の停滞により学会発表および論文化が遅れた。
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Research Products
(3 results)