2021 Fiscal Year Research-status Report
ニュージーランド保育指針テ・ファーリキの非認知能力育成論に関する学際的研究
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21K02398
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
大橋 節子 (大橋節子) 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (80713073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 朋生 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (30413511)
上田 敏丈 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (60353166)
内田 伸子 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (70017630)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ニュージーランド / 乳幼児教育カリキュラム / 保育指針 / テ・ファーリキ / カリキュラム・フレームワーク / 保育者 / 二文化主義 / マナ |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目となる2021年度は、ニュージーランド教育省から正式な許諾を受け同国の乳幼児教育のナショナル・カリキュラムであるテ・ファーリキの翻訳研究に取り組んだ。その研究成果を2021年9月に『ニュージーランド乳幼児教育カリキュラム テ・ファーリキ(完全翻訳・解説)-子どもが輝く保育・教育のひみつを探る-』として建帛社より出版できた。 本書において研究代表者である大橋節子は「今なぜニュージランド保育なのか-『テ・ファーリキ』(2017年改訂版)完全翻訳に至る背景と思い-」を執筆し、テ・ファーリキ翻訳の意義と重要性について論じた。研究分担者である中原朋生は「テ・ファーリキのカリキュラム・フレームワーク理論と背景-;二文化主義に基づく「マナ」の育成-」を執筆し、テ・ファーリキのカリキュラム編成原理について論じた。さらに研究分担者である内田伸子は「学びの物語-ラーニング・ストーリーによる保育記録と園の実例-」を執筆し、ニュージランドの現地調査を踏まえた同国の保育記録の実態について論じた。そして研究分担者である上田敏丈は、「ニュージーランドの保育者は何を大切にしているか」を執筆し、テ・ファーリキにおける保育者(カイアコ)の役割について論じた。 ニュージーランド教育省によると「同省の正式な許諾に基づきテ・ファーリキが外国語に翻訳されるのは世界で初めて」とのことであった。テ・ファーリキはOECDも先進的な保育指針であると認められ、我が国においても保育・幼児教育関係者に広く認知されている。本科研研究に基づきテ・ファーリキ(英語版)の完全翻訳に解説を付した研究書を出版できたことは学術的にも実践的にも画期的であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究ではニュージーランド 、オーストラリア、日本をWEB会議で結ぶシステムを当初から構築し、遠隔会議のみで翻訳研究をスムーズに遂行した。さらにメール審議も多様に展開し個人の研究成果を定期的に共有することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はテ・ファーリキにおける非認知能力形成の論理を抽出するとともに、テ・ファーリキを活用した保育者研修プログラムを構築する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響のため、学会参加旅費、現地調査などを次年度以降に展開することとしたため。
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