2022 Fiscal Year Research-status Report
健やかな心身の育ちを保障する子どもの包括的余暇の探究
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21K02400
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Research Institution | Senzoku Junior College of Childhood Education |
Principal Investigator |
石濱 加奈子 洗足こども短期大学, 幼児教育保育科, 教授 (00591190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野井 真吾 日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)
鹿野 晶子 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (10759690)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | やりたいこと / 余暇 / go/no-go課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの心身に好影響である余暇の過ごし方の具体を提案するために,小学生の余暇を包括的にとらえ,その余暇の過ごし方と心身の状況との関連を明らかにしすることを目的とした. 調査に協力を得られたK県内の公立小学校1校に在籍する3~6年生のうち,調査に協力を得られた70名を対象に,自己記入式の質問紙(放課後の過ごし方,不定愁訴,やり抜く力,エゴレジリエンス),活動量,活動記録,高次神経活動調査(go/no-go課題)の調査を行った.調査時期は2022年11~12月であった. その結果,対象者の「自由な時間にやりたいこと」は「テレビやDVD,電子ゲームやスマホ,PC,タブレットなどを使う」が最も多かった.放課後の時間は,概ね自由に使うことができており,自由な時間はあると回答するものの,塾や習い事に従事する割合は高かった.塾や習い事には「休みたい」と思っても「休まない」と回答する割合が高く,ある程度の義務感の中で従事していることを推測させた.また,不定愁訴は,特に睡眠問題について,高学年になるほどその訴えが多くなる様子が観察された.やり抜く力およびエゴレジリエンスは,先行研究に比して若干低い様子を確認することができた.高次神経活動(go/no-go課題)は,先行研究に倣って5つの型に分類した結果,興奮過程と抑制過程がともに弱い対応である不活発型が51.7%と最も多く,興奮も抑制も十分な活発型が17.2%であった. またそれらの関連を検討した結果,自由時間に「やりたい」と思う活動は,高次神経活動の発達状況が反映する可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象校が選定され,調査を行うことができた.また,これらの結果を基に,対象校の特徴を踏まえ,追調査を予定している. 加えて,調査結果をまとめ発表する準備も整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
子どもの心身に好影響である余暇の過ごし方の具体を提案するために,追調査を予定している(9~10月).また,6月,7月,9月に本研究の結果を学会にて報告する予定にしており,その後論文の執筆に移行する.
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Causes of Carryover |
使用機器に関して,研究分担者の所属先より借用することができた点,およびコロナ禍にて調査協力を得られた小学校が少なかったこと,参加予定学会がオンラインでの開催となったことがその理由である. 次年度は追調査を行う予定であり,調査経費,および学会・会議が対面開催になることが決定しており,研究成果を報告するための旅費等に使用する予定である.
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