2021 Fiscal Year Research-status Report
乳児保育の質向上を支える対話型園内研修の検討:「食」を通した包括的な園理解から
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21K02412
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
遠藤 純子 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (00634297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 友紀 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 准教授 (70574903)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 園内研修 / 協働 / COVID-19 / 保育の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には保育所等におけるフィールド調査を実施予定であったが、新型コロナウイルス(COVID-19)拡大の影響で調査実施が困難な状況であったため、予定を変更し、フィールド調査の予備調査として、COVID-19流行下での園内研修の状況と協働の変化を把握する目的で保育士・園長を対象としたグループインタビュー調査を実施した。保育士対象のグループは5名、園長対象のグループは4名で実施し、COVID-19流行下であることを考慮しZoomを用いた半構造化グループインタビューとした。質問内容は<①COVID-19流行前後における園内研修の実施状況、②園内研修での苦労や悩み、③COVID-19流行下での協働の変化、④感染症対策と食の場のコミュニケーションの両立、⑤外部研修の受講状況、⑥子どもにとっての食事時間とは>を軸として進めた。 インタビューでは、COVID-19流行下における園内研修は少人数で話し合うことや、短時間でも子どもの姿を共有することなど、従来の方法にとらわれず各園で工夫をしながら実施されていることが語られていた。隙間時間を使って連携をとることや連携の有難さへの気づきなど肯定的な変化が語られたほか、調理従事者が保育室に入ることの制約や子どもの食事の様子を直接見ることができなくなったこと、保育者間のインフォーマルなコミュニケーションの機会の減少など、協働に影響を及ぼしている側面についても語られていた。園内研修の形態の変化や、職員間の連携の変化といったことを踏まえ、次年度以降の園内研修にあたっては職員間の相互理解を深める要素を意識的に取り入れられるよう、内容を構築していきたい。インタビュー結果は、論文としてまとめ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題は、保育現場での調査を基軸として計画されているが、COVID-19の影響により、保育現場への訪問は中止せざるをえない状況であった。加えて保育現場ではCOVID-19流行以前と同様の形での協働の困難さや職員が集合しての園内研修の実施が困難になっていることが予想されたため、計画の遂行にあたってはCOVID-19流行下の保育現場の状況を理解することが必要だと判断し、計画を変更し2021年度は調査の前段階としてグループインタビュー調査を実施した。2021年度に実施した調査の分析結果をもとに、2022年度以降の調査と園内研修実施内容を再検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年5月より、保育園での訪問調査を開始予定である。COVID-19感染状況を注視しつつ、園に負担にならない形で調査をすすめる必要があるが、調査園と密に連絡をとりながら調査をすすめていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大を受け、計画していた調査に係る旅費・謝金等の殆どを執行することができなかった。2022年度以降の調査実施に係る費用に充てる予定である。
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