2021 Fiscal Year Research-status Report
保育の倫理教育を根幹とした与薬場面の研修システムの確立に向けた研究
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21K02427
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Research Institution | Beppu University Junior College |
Principal Investigator |
谷川 友美 別府大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10364176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 倫理 / アナフィラキシー / 保育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021,11月に豊後高田市主催の子育て支援員養成講座の受講生に対し、質問紙調査/自律神経測定器により測定を実施し、フォーカスグループインタビュー調査を依頼した。その結果モデル人形の活用よりも、モデル人形以外の月齢に伴った事例を活用した研修の方が教育的効果が高いことが明らかになった。2021年12月に保育士養成校の学生に対し、質問紙調査自律神経測定器による測定を実施した。その結果事例展開の多様性を意識した研修内容であること、また研修中のエピペンの活用時期や説明時期についての適時(講義の前半部)がより教育的効果が高いことが明らかになった。その結果より2021年10月と2022年2月に大分県児童クラブ支援員研修の受講生に対し、質問紙調査を実施しインタビュー調査を依頼した。同月保育士養成校の学生に対し自立心計測的による測定を実施フォーカスグループインタビュー調査を行った。その結果、研修内容に関しては、事例設定(ロールプレイによる体験)の中で、モデル人形を示し模擬エピペンを注射した場合と、受講生自らアナフラキシーショック状態を演技指導しショック状態に陥ったという事例を設定し模擬エピペンを注射した場合を比較した所、モデル人形よりも演技指導した場合の方がより教育的効果が高いことが明らかになった。モデル人形を使用し確実に注射した後、リアリティを追求したショック状態の初期対応を体験することが有意義だと考察できた。また、学び手の姿では、「触れるという感覚が生まれる学ぶ意欲」「施行することで学ぶ動機の生成」「生命を取り扱う認識のばらつき」といった主要因子が抽出され、触覚的な刺激の重要性や様々な知の探究から派生する興味関心の広がりが受講生の中に生まれていることが明らかになった。更に保育者の倫理教育の中で生命の取り扱いについて更に深めたように展開していく必要が示唆された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による全国的な研修の中止や延期が相次いだ。2020年2021年共に、1800人の受講生に対し研修を行う計画であったが、実際は、100名程度の受講生の調査が実施できた。また新型コロナウイルス感染症対策で、三密の回避が必要とされたため、ワールドカフェ形式のグループワークも中止にせざるおえない状況となった。接触を避けるため、モデル人形の消毒を念入りに実施した上で受講生が研修をするために、必要時間以上の研修時間を要した。今後も新型コロナウイルス感染症の感染数状況を見ながら、県の指示に従い、研修を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も出来るうる研修を実施し、受講生に対し調査を続けていく予定である。ただし、新型コロナウイルス感染者数を加味しながら、適宜消毒等を徹底し進めていく必要がある。また、郵送によるアンケート調査も加えて接触を回避しながら目的を達成していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、学会発表する機会がなかったため、旅費等の計上がない状況であった。また新型コロナウイルス感染症の影響で、研修を実施する機会が少なく、受講生もいない状況であったため、インタビュー調査を実施する機会がなかった。そのため、インタビュー調査を実施した謝金を払うことがなかった。
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Research Products
(1 results)