2021 Fiscal Year Research-status Report
外国人児童生徒の在籍学級の学習への包摂に必要な支援と手立ての体系化
Project/Area Number |
21K02446
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
古川 敦子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (80731801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 亜子 (田中亜子) 国士舘大学, 政経学部, 准教授 (10439276)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 外国人児童生徒教育 / 学習環境 / 在籍学級への包摂 / 協働的関係性 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内の小中学校に在籍する日本語学習中の外国人児童生徒等を対象とし、彼らを在籍学級の学習活動に包摂していくための支援・手立てについて検討することを目的としている。全体として、①授業場面の観察調査、②支援の観点、具体的な手立ての抽出、③児童生徒同士の学び合いや関係性の変容に関する事例調査の3つの調査研究を計画している。 研究初年度である2021年度は、まず①の調査を調査協力校で実施し、教員が取り組んでいる授業の工夫や、課題と感じる点、指導観等について聞き取り調査を行う予定であった。しかし、コロナ禍による移動制限・自粛の継続により学校訪問や担任教員との協議が予定通り進まず、また年度末に計画していた授業見学等も中止となった。その中で、研究協力者の教員とはオンラインで定期的に打ち合わせを行い、並行して本研究に関連する文献資料の調査、学会や研究会等へのオンライン参加による情報収集を行った。2021年度に実施した内容を以下にまとめる。 ・群馬県伊勢崎市の小学校1校(日本語教室設置校)を訪問して、在籍学級の授業場面(体育・算数)、日本語教室の授業場面の観察を行った(教員の支援に関する予備的調査)。 ・伊勢崎市の日本語教育研究班の会議にオンラインで参加した。また、研究協力者の教員とは「日本語教室と在籍学級との連携」について継続して協議を行った。 ・大学の日本語教員養成課程においてケース教材を使って「日本語学習者の状況を多角的に考える実践トレーニング」を行った。この実践は日本語教員養成段階の学生に対して実施したものだが、学校教員の研修等での使用も検討している。学生からのフィードバックをまとめ、2022年度に実践報告として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による移動制限・自粛の継続、ワクチン接種等により学校訪問・担任教員との協議が予定通り進まなかった。年度末に計画していた授業見学等も中止となったことから、2021年度に実施予定だった計画の一部を、次年度以降の実施とすることにした。計画の再検討が必要になったため「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に実施できなかった授業観察と教員に対する聞き取り調査・協議(調査①)を継続して行う。並行して、調査②にも着手し、授業内で教員が行っている配慮や支援(学習活動の工夫、児童生徒への声がけ、児童生徒の関係性構築の働きかけ等)の事例を収集する。これらは順次整理して、カテゴリー化を始める予定である。 また、2021年度に引き続き、日本語教員養成課程の学生を対象として、日本語学習者の状況・ニーズの捉え方に関する実践トレーニングを行い「教師の視点の広がり」についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が継続したことにより、学校訪問が計画通りには進まなかったこと、また参加予定だった学会や研究会もオンラインでの実施になったことから、経費として予定していた旅費の支出がなくなった。 2022年度には、可能な時期に学校訪問を開始し、また対面実施を予定している学会・研究会に参加する。次年度使用額はそれらの旅費等に使用する。また、授業観察時の録画・録音、また教員への聞き取り調査の録音はデータ化(文字化)して分析するため、その文字化や資料整理のための人件費等に使用する。
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