2023 Fiscal Year Research-status Report
戦前の新民謡運動を契機とした師範学校における郷土教育の展開と戦後への波及
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21K02465
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鈴木 慎一朗 鳥取大学, 地域学部, 教授 (90442087)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 附属小学校 / 日本音階 / 《鹿角小唄》 / 《花輪小唄》 / 《磯節》 / 《甲州音頭》 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦前の新民謡運動を契機とした師範学校における郷土教育の実態と戦後への影響を明らかにすることである。 令和5(2023)年度では、新民謡運動が師範学校における郷土教育へ及ぼした影響の検証を行った。令和4(2022)年度に引き続き、秋田県師範学校・秋田県女子師範学校を事例とし、附属小学校にも着目し、検証した。秋田県師範学校附属小学校・秋田県女子師範学校附属小学校に加え、農村教育のために代用附属小学校が設置されていたという特色がみられた。新民謡の楽曲分析も行い、《鹿角小唄》は中山晋平の流行歌の音階に基づくと、イ音を主音とする短音階学童旋法、《花輪小唄》は小泉文夫の理論に基づくと、ニ音を主音とする二六抜き短音階に該当する。研究の成果については、日本音楽教育学会第54回大会において口頭発表した後、『地域学論集』第20巻第3号において論文発表を行い、広く社会に発信した。 新民謡は日本音階に基づき作曲されていたため、下総皖一の日本音階について整理した。下総によると、日本音階は(1)雅楽として(イ)律音階、(ロ)呂音階、(2)俗楽として(イ)陽音階、(ロ)陰音階の4種類に分類される。こちらについては、関西楽理研究会第193回例会において口頭発表を行った後、『地域学論集』第20巻第1号において論文発表を行った。 その他、茨城県師範学校・茨城県女子師範学校に関しては、《磯節》、山梨県師範学校・山梨県女子師範学校に関しては、《甲州音頭》に着目して、分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
茨城県師範学校・茨城県女子師範学校における郷土教育についての成果発表がまだできていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
茨城県師範学校・茨城県女子師範学校における郷土教育について口頭発表を行った後、論文発表を行う計画である。 《甲州音頭》に関しては、山梨大学において開催予定の日本音楽表現学会第22回大会において口頭発表を行い、積極的に地元社会へのアピールおよび還元を図りたい。
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Causes of Carryover |
国立国会図書館デジタルコレクションが充実してきたことにより、調査研究に出掛ける回数が減り、国内旅費の支出が抑えられたため。 成果発表の旅費等として使用する計画である。
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