2022 Fiscal Year Research-status Report
実際のコミュニケーションに役立つ英文法例文のあり方についての研究
Project/Area Number |
21K02495
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中住 幸治 香川大学, 教育学部, 教授 (20758875)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 英語科教育 / 英文法 / 言語の機能 / コミュニケーション / 検定教科書 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在高等学校検定教科書「英語コミュニケーション」「論理・表現」内の文法及び言語機能に関連する例文、練習活動、言語活動等のデータを収集、分析中である。その中で、検定教科書内で言語の機能に関する記述が増加傾向にあること、英文法に割くスペースが減少傾向にあることが分かった。練習問題については、言語形式を問う問題が減少する一方、文法事項を用いた自己表現問題が増加していることが分かった。また言語形式を問う問題の中でも対話や複数文を用いた問題、イラストや写真を用いた問題、実際の活用場面を意識した問題が増加傾向にあることも分かった。その一方上記の傾向が全ての教科書に共通というわけではないこと、言語の機能への言及も増加しているとはいえ、英文法と比べて網羅的とは言えないこと、英文法と言語の機能を関連付けた記述も限定的であることなどが分かった。例文等使用英文に関しては、複数文や対話文、列車アナウンスを用いるなど文脈に配慮したものが増加傾向にはあるもののやはり限定的で、新学習指導要領下での語彙レベル難化がそのまま英文にも反映されていることが分かった。 検定教科書の中で言語の機能への言及が増加しているという点は、本研究の「やり取り・発表」という観点からの英文法例文の質的条件を検討するうえで重要なポイントである。言語の機能と「やり取り・発表」との関連性を整理し、使用されている例文や語句を英文法事項・例文等と関連付けることで、「コミュニケーションに役立つ英文法例文」の条件をより明確に提示することができるのではないか、と考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は高等学校1年生向け改訂版高等学校検定教科書が発刊されただけで2,3年用教科書の発刊がまだこれからである。さらに新教育課程で学習している高校生及び指導している英語科教員の数も限定的であったため、アンケート調査を行うには昨年ではやや時期尚早であると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在高等学校2年生向け検定教科書が閲覧・入手可能となったため、そのデータも加えて、データベースの各侍従を図りたい。さらに今年度末には新課程下で英語の指導・学習に携わった教員・学習者を対象にアンケート等の調査を行い、その結果に基づき「口頭・筆記」及び「やり取り・発表」、さらに「言語の機能」において有益な英文法例文の条件に関するより発展的な理論構築を進める。
|
Causes of Carryover |
一つには、研究発表が一昨年度全て、昨年度も1件オンライン発表であったことが挙げられる。また学習指導要領の改訂に伴い検定教科書の発刊を待って研究を進める必要があったことから研究自体にも遅れが生じている。今年度は対面での研究発表の機会を増やすこと、海外での研究発表も視野に入れる一方、研究期間の延長も検討している。
|
Research Products
(2 results)