2021 Fiscal Year Research-status Report
教員に必要とされる統計的リテラシー育成プログラムの開発
Project/Area Number |
21K02500
|
Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
槇 誠司 東京情報大学, 総合情報学部, 教授 (60846997)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
中野 博幸 上越教育大学, 学校教育実践研究センター, 教授 (90547051)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 統計的リテラシー / 学習指導要領 / 校務分掌 / 小学校教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小中学校および高等学校の教員が児童生徒に統計指導を行ったり、 校務で扱う統計データを根拠に基づいて分析を行ったりするのに必要な統計的リテラシーをどの程度理解しているのかを解明することである。2021年度は、教員に必要とされる統計的リテラシーを調査するために、以下の2点について検討した。1点目は、各教科の新学習指導要領解説(以下、解説書)で扱う統計的リテラシーに関する項目 (以下、統計項目)を教科ごとに調査した。その結果、小学校では、国語科、社会科、理科、家庭科という算数科以外の解説書にも統計項目が含まれていた。 例えば、国語科では、文章を書くのに必要な材料や情報を整理して分かり易く表現できること、 社会科では、自動車生産数などの統計的資料の傾向をグラフを用いて表現できること、 理科では、気温などの数量の変化をグラフを用いて考察できること、家庭科では、料理に応じて材料を分類して、一人分の分量を求めることができることなどの統計項目が解説書に含まれていることがわかった。 2点目は、校務で扱う統計項目を校務分掌ごとに調査した。その結果、小学校では、データの平均を求めたり、表やグラフを用いたりしてデータの傾向を考察できる統計項目などが、全ての校務分掌の業務内容に含まれていた。例えば、教務課では、児童生徒の成績や出欠等のデータを平均値やグラフを用いて学年間の特徴を考察できること、保健課では、児童生徒の各年度の身体測定や各週の感染者数のデータを比較して、今後の傾向を推移できることなどの統計項目が業務内容に含まれていることがわかった。このことから、小学校の教員は、全ての教科指導及び校務分掌の業務遂行において統計的リテラシーを身に付けておく必要があることがわかった。 なお、中学校と高等学校については、2022年6月までに調査を終える予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による制約のため、研究協力者との打合せが対面からオンラインに変更したことにより、研究に着手する時期が遅れていたが、2021年度計画の8割の研究は年度内に終わることができた。残り2割の研究も2022年6月までには終わる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度の研究成果で明らかになった教員に必要な統計項目を教員が、どの程度理解しているのかを校種別、年齢別に調査し、不足している統計項目を解明する。 そのために、前半は、調査問題を作成する。例えば、成績会議資料などを題材にして、教員が業務を遂行する上で必要な統計項目を扱った調査問題を作成する。後半は、小中学校および高等学校の教員を対象に調査問題を実施する。調査問題の実施形式は、コロナ禍であっても対応できるようにCBT形式を採用する予定である。調査問題の分析結果等の研究成果についても逐次発表し論文投稿を進める。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、計画していた出張が行けなくなった為、次年度使用額が生じた。 次年度には、前回行けなかった現地への出張旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)