2023 Fiscal Year Research-status Report
教員に必要とされる統計的リテラシー育成プログラムの開発
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21K02500
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
槇 誠司 東京理科大学, 教育支援機構, 嘱託専門員(特任教授) (60846997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
中野 博幸 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90547051)
古賀 竣也 活水女子大学, 健康生活学部, 講師 (60937225)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統計的リテラシー / 統計的仮説検定 / 養護教諭 / 校長(管理職) |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度には、小中学校および高等学校の養護教諭の統計的リテラシーの習得状況を調査しましたが、サンプル数が46名と少なく、結果の信頼性に課題があった。そこで、2023年度には、女子栄養大学の遠藤教授と大沼教授のご協力により,112名の養護教諭を対象に調査を実施することができた。その結果、9割以上の養護教諭が統計的仮説検定の考え方や区間推定の考え方を理解し、データ処理において外れ値や標準偏差を考慮するなどの統計的リテラシーを身に付けていないことがわかった。さらに、養護教諭の9割以上が習得を目的とした手引書の必要性を求めていることが分かった。次年度には、手引書の検討および作成を計画している。 次に、今年度の研究計画として、小学校の校長を対象に統計データの分析方法について質問紙調査を行った。その結果、約5割の校長がデータを整理し、割合を求めたり、平均値などを表やグラフにまとめてデータの傾向を分析していることが分かった。さらに、約3割の校長がヒストグラムや標準偏差を用いてデータの分散を分析していることが分かった。この結果から、在職年数の長い校長ほど、平均値だけでなく、標準偏差などのデータ分布に注目した統計処理を行っていることが分かった。なお、小中学校および高等学校の養護教諭以外の教諭や管理職については、2024年9月までに調査を完了する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査は、Googleフォームを利用したことで、集計作業は迅速に進めることができた。この結果、2023年度の予定のうち、8割の調査が年度内に完了した。残りの2割の調査は、2024年9月までに終了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、養護教諭以外の教員や管理職(以下、教職員)にも同様に、教職員が必要とする統計項目をどの程度理解しているのかを調査する。その後、調査結果から、教職員が不足している統計項目について分析する。なお、アンケート調査は、集計作業を迅速にするため、Googleフォームを使用する。 次に、前年度までに養護教諭を対象に実施した調査結果を基に、実務に役立つ内容を題材にした養護教諭向けの手引書を検討する予定である。 最後に、教職員が不足している統計項目に関する調査・分析結果や検討した手引書について、逐次発表し論文投稿を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、出張できなかった旅費及び質問紙調査をPBTからCBTに変更したことにより,不要になった印刷費や郵送費である。次年度には、前回行けなかった現地への出張旅費や調査結果を基に検討した手引書の印刷代などに使用する予定である。
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