2023 Fiscal Year Research-status Report
河床堆積物の上流から下流にかけての細粒化の成因認識調査と教材の開発・提案
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21K02505
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
平田 豊誠 佛教大学, 教育学部, 教授 (90733270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣木 義久 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80273746)
小川 博士 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (90755753)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 流れる水の働き / 選択運搬作用 / 粒径分布 / 破砕・摩耗作用 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
河床堆積物の上流から下流にかけての細粒化の成因について,流水による砂礫の選択運搬作用が支配的要因だという説(選択運搬説)と破砕・摩耗作用が支配的要因だという説(破砕・磨耗説)の2つの対立する要因があげられている。 本研究では教員や学習者がそのどちらに依った認識を保持しているかを調査し,どのように教授されているかを調査する。その結果を基に,破砕・摩耗作用よりも要因として大きいと考えられている選択運搬作用を正しく教授できるような教材を開発し,実践検証していくことを目的としている。 令和5年度では次の4点について研究を進めた。1点目,47都道府県,20政令指定都市の教育委員会(及び付随する教育センター等)を対象に,小学校第5学年の単元「流れる水の働きと土地の変化」で提示している指導案が,河床堆積物の下流方向にかけての細粒化の成因を,破砕・磨耗説か選択運搬説のどちらの指導内容を採用しているかを調査・分析した結果について論文として報告した。2点目,選択運搬作用を認識・学習できるような教材(水路実験装置を用いた運搬・堆積採用の原理がわかる実験)の開発を進め論文として報告した。3点目,開発した教材を用いて,選択運搬作用を認識・学習できるような授業実践を行い効果検証のためのデータを取得した。4点目,河床堆積物における粒径の下流方向への細粒化について,小学校理科教科書にある,築山等を用いて水を流す実験において,選択運搬作用を認識・学習できるような学習指導法の授業実践およびデータの収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画において目指していた,小学校第5学年の単元「流れる水の働きと土地の変化」で提示している指導案が,河床堆積物の下流方向にかけての細粒化の成因を,破砕・磨耗説か選択運搬説のどちらの指導内容を採用しているかを調査・分析した研究成果を論文として公刊することができた。 さらに,選択運搬作用を含めた正しい内容を教授できるような教材(水路実験装置を用いた運搬・堆積採用の原理がわかる実験)の開発の成果を論文として公刊することができた。 これら研究成果を活かした授業における効果検証として,開発した教材を用いて,選択運搬作用を認識・学習できるような授業実践を行い効果検証のためのデータを取得し分析にとりかかっている。加えて,河床堆積物における粒径の下流方向への細粒化について,小学校理科教科書にある,築山等を用いて水を流す実験において,選択運搬作用を認識・学習できるような学習指導法を開発し,授業実践を行い,効果についてのデータの収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に得られた1.水路実験装置を用いた選択運搬作用を認識・学習できるような教材,2.築山等を用いて水を流す実験において,選択運搬作用を認識・学習できるような学習指導法を用いた研究のための授業によって得られた調査データを分析し,それぞれの有効性について検証した結果を報告していく。 また,単元「流れる水の働きと土地の変化」を学習前の児童が持つ河床堆積物の細粒化に対する素朴概念が単元学習後にどのように変容したかの調査を進める。
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Causes of Carryover |
旅費の使用および謝金使用が控えられた点があげられる。旅費については,遠方で実施される学会の参加を控え,打ち合わせのための移動を控えたためである。また研究者自身によりデータ入力等を行うことができたためである。 令和6年度は,研究打ち合わせ及び成果発表のための旅費として使用していく。また小学校検定教科書および指導書等の改訂に伴う新規購入費用として使用していく。併せて,論文の抜き刷り費用等として使用していく。
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